【目黒 野球部】 「不撓不屈」 #目黒

3年ぶりの夏勝利狙う都立伝統校
未知なる挑戦、無限の可能性

 都立伝統校・目黒が2019年以来3年ぶりの夏勝利を目指している。2・3年生計19人は目黒区の校庭から旋風を起こしていく。

■目黒区から目指す勝利  

東急東横線で渋谷から代官山、中目黒を経由して3駅目の祐天寺に位置する目黒は、都立屈指の人気校だ。駒沢通り沿いの校門をくぐって進むと、6階建て校舎に囲まれるように校庭が広がる。縦50メートル、横80メートルほどの広さで、野球グラウンド全面を確保することはできないが、部員たちは創意工夫を重ねながら練習に励む。学校は2019年に創立100年を迎えた。野球部は学校の伝統を新たなカラーで彩るべく努力を続ける。過去15年では、2006年夏に2勝、2014年夏に1勝、2019年夏に1勝を挙げたが春・秋の都大会では勝利なし。新3年生は過去2年間の公式戦で未勝利だが、昨夏は2回戦で堀越相手に9回まで2対1でリード。最終回に2失点し2対3で惜敗したが、夏の舞台で堂々の戦いをみせた。

■少数精鋭、個性あふれる選手たち  

目黒は、2019年秋から日大櫻丘出身の加藤春彦監督、豊多摩出身の東龍平コーチの二人三脚体制となった。加藤監督は「不撓不屈」、「走姿顕心」をスローガンに新たな礎を築いている。2・3年生は選手が13人、マネージャーが6人。前チームは先輩たちが中心だったため、新チームではほとんどの選手にとって秋季大会が初めての公式戦となった。人数こそ少ないが、各ポジションに個性あふれる選手が揃う「少数精鋭」。今季は、原龍大主将(3年=投手)、廣瀬洸大副将(3年=内野手)と大澤慎ノ介ゲームキャプテン(3年=投手)の3人がそれぞれの役割を果たしてチームをまとめる。原主将は「人数は少ないが野球への取り組みはどのチームにも負けていない。僕たちが入学してから公式戦で勝つことができていないので、みんなの力を合わせて勝利をつかみたい」と話す。

■「MEGUROカップ」で準優勝  

2022年夏へ向かうチームは、最速135キロのエース大澤、原、佐川広騎(3年=一塁手・投手)の投手陣が軸。打線は、真瀬裕彬(3年=左翼手)、佐川のクリーンアップが勝負強いバッティングをみせる。昨秋の一次予選では昭和一学園に敗れて都大会出場はならなかったが、近隣7チームによる交流大会「MEGUROカップ」で準優勝するなど実力を伸ばす。チーム改革に取り組む加藤監督は「勝つことができていないが、努力が結果につながることを選手たちに伝えたい。勝つことですべてが変わっていくと思う」と、貪欲に勝利を追求する。選手たちは、勝利の喜びを知ることでさらに成長していく。

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