投打のバランス整う個性派集団
英知結集で、いざ甲子園へ
2000、2005年に西東京大会で準優勝した実績を持つ明大中野八王子。2023年のチームは「革明」をスローガンに新たな歴史を作っていく。
■我”の強いチームが本領発揮
2023年のチームは「良い意味で“我”の強いチーム」(椙原貴文監督)だ。選手たちがそれぞれの特長と意見を持ち、チームにはこれまでとは違う刺激が加わっているという。個性派集団をまとめるのは、チーム一の野球小僧・進藤正太郎主将(2年=内野手)。真摯な姿勢で野球と向き合い、技術と“背中”でチームを牽引している。打撃の軸は、スイングスピード143キロの西東京屈指強打者・西川幸史朗(2年=外野手)と出塁率チーム1のリードオフマン小薗卓也(1年=内野手)。主砲・西川は「タイプの違うバッターが揃っていて、つながったときには大きな力になる。自分たちがチームを引っ張っていく」とバットを握る。
■エース大嶋軸に充実の投手陣
投手陣は、本格派右腕・大嶋遼(2年)と、伸び代十分のサウスポー中島広太郎(1年)のほか井戸端治都(2年)、渡邊純真(1年)らが競い、ブルペンは活気付く。最速135キロをマークする大嶋は冬トレーニングで下半身強化に取り組み、春・夏へ準備を進める。左腕・中島は、しなやかな腕の振りから威力あるストレートを投げ込む春のブレイク候補。近年の明大中野八王子は、エース1人に頼る戦いが続いていたが今年は投手層でも勝負することができる。投打のバランスが整ったチームは、飛躍の予感が漂う。1年生左腕・中島が「ストレートで圧倒できるピッチャーになりたい」と話せば、エース大嶋は「ピンチをしっかりと抑えてエースの役割を果たしたい」と球春を待つ。
■明八の歴史を変えていく
今年のチームのスローガンは「革明」。革命の「命」を、明治の「明」に変えた、明大中野八王子らしい造語。新チーム始動後の選手ミーティングで話し合って決めた言葉だ。進藤主将は「明八は2005年夏に準優勝となってからベスト4の壁を越えることができていない。自分たちの代で明八の歴史を変えていきたい」と力を込める。秋季都大会は1回戦で拓大一に勝利し2回戦へ。2回戦・日大三戦では中盤までは食らいついたが終盤に突き放されて3対10で敗れた。課題は、ゲーム終盤のスタミナと集中力。選手たちはオフシーズンに心技体を鍛え上げてシーズン開幕を待つ。椙原監督は「ベスト8より上へ行くためには『良い試合』ではなく『勝つ試合』をしなければいけない。そのためには相手はもちろん、己にも勝つ覚悟が必要だ」と説く。選手たちの力が一つになったとき、越えられなかった
壁が未来への扉となる。