マリンブルーの飽くなき挑戦
一体感を武器に神奈川の頂点へ
2022年夏、2022年秋の2大会連続ベスト8となった三浦学苑。2023年、マリンブルーの進撃は頂点を目指す旅路となる。
■マリンブルーのユニホーム
遥かだった神奈川の頂点が、確かに見えてきた。三浦学苑が頭角をはっきりと現したのは、2019年秋だった。日大藤沢、平塚学園などを破って4強入り。そのチームはコロナ禍の2020年夏独自大会で、横浜に勝利しベスト4進出を果たした。確固たる自信を手にしたチームは2022年夏、2022年秋に2大会連続ベスト8という結果を残している。今季のチームの選手たちは、2020年夏の独自大会ベスト4の戦いを見て、マリンブルーのユニホームに袖を通した選手たち。新たな歴史の扉を開く気力と活気がグラウンドに漂っている。原田京雅副将は(2年=捕手)「全員の力を合わせて壁を突破していきたい」と覚悟を決める。
■「結束」というスローガンが道標
チームは最近10年間で劇的に変化している。樫平剛監督が2012年に指揮を任されたときはまだ未熟なチームだった。選手個人の力だけでは、上位校に太刀打ちできない。指揮官は「結束」というスローガンを掲げて、チーム全員で戦っていくことの意味を伝えた。技術指導と並行して礼儀や挨拶など人間力向上にも力を入れると、チームの結果が導かれるようになった。2019年秋以降の参加8大会でベスト4が2度、ベスト8が2度、ベスト16が2度という戦績になっている。樫平監督は「次なる壁が見えてきているが、その壁は大きい。コロナでつながりが薄れてしまっていたが、もう一度、『結束』という原点に戻って全員で戦っていく。ここから先は、近道はない。一歩一歩登っていくしかない」と話す。チームは新たに「UNITY(結束)」の新横断幕をベンチ上に掲げて、次なる戦いへ挑む。
■結束力ではどこにも負けない
今年の三浦学苑は、攻守の要でムードメーカーの米田昂太主将(2年=内野手)が盛り上げていく。打撃の軸は、金井陽希(2年=内野手)、加来武流(2年=外野手)のチャンスメーカーと、米田主将と原田副将のクリーンアップ。勢いに乗ったときの破壊力は神奈川屈指だ。投手陣は最速138キロの本格派右腕・星翼(2年)、184センチ90キロ・最速136キロの大型右腕・直泰駕副将(2年)のふたりが球速を伸ばす。今秋は準々決勝で横浜と対戦し、序盤に失点して点差を離されたが、7点を奪って意地はみせた(7対22)。米田主将は「チームの結束力ではどこにも負けない。秋に横浜に負けた悔しさを糧に春・夏へ向かっていく。一体感を武器に神奈川の頂点に立ちたい」と気持ちを込める。神奈川の山は頂きに迫れば迫るほど、急勾配となり、その険しさも増す。三浦学苑の選手たちは今季、頂きへと向かうルートのザイルに手をかける。