【東大和南】 「600キロへの道」

今夏の西東京大会でベスト16進出
選手の「個性」と「意志」が成長の原動力

今夏の西東京大会でベスト16進出を果たした東大和南。夏のレギュラーが残る新チームは「夏の神宮球場」を目指して邁進していく。

■「都立最強チーム」の一つ

東大和南は今夏の「都立最強チーム」の一つとなった。3年生は、エース栗田晴矢、キーマン田中孝志郎、菊池颯人主将を軸にトーナメントを勝ち上がった。2回戦で実力校・千歳丘に勝利して勢いづくと、3回戦で法政に4対2で競り勝った。4回戦では玉川学園をくだして5回戦へ進出。5回戦では創価に敗れたが、持てる力は出し切った。学校によると、創立40年の歴史でベスト16は初めてという。夏の主軸として活躍した藤本剣志朗新主将(2年=投手・内野手)は「先輩たちがチームを引っ張ってくれて勝ち上がることができた。夏の結果を継承してさらに上へ行きたい」と力を込める。

■「勝ちたい気持ち」に寄り添う

東大和南をベスト16へ導いたのは就任9年目の髙田敏之監督だ。2015年に着任し、生徒と喜怒哀楽を共有しながらチーム強化に力を注いできた。2015年夏には、1年生・清宮幸太郎を擁する早稲田実と3回戦で対戦し4回まで3対4のスコアで進めるなど好勝負を演じた(4対8)。2021、2022年夏には4回戦へ進出し、チームの土台を築き上げてきた。髙田監督は「以前は、私自身の勝ちたい思いが前へ出てしまって空回りしてしまっていました。一歩引いて、選手の勝ちたい気持ちに寄り添うようになってから結果が出るようになりました」と語る。選手の意志を尊重し、進化のレールを引いたことによってチームは飛躍した。

■「600キロへの道」

先輩たちの好結果を受けて始動した新チームは、夏のレギュラーだった藤本主将、石綿駿征(2年=外野手)、福塚宗大(2年=内野手)らが中心となっている。チームは未完成だが、192センチ115キロの大型スラッガー荘司開喜(2年=内野手)が力を伸ばすなど魅力十分。投手陣は、藤本主将、加藤颯(2年)などがマウンドに上がり、ゲームをつくっていく。秋予選は初戦で上野学園に惜敗したが、チームは「夏の神宮球場」を目指して再起を誓う。藤本主将は「先輩たちのベスト16を越えて、ベスト8以上、そして甲子園を目指したい」と前を向く。チームは、甲子園までの距離を見据えて「600キロへの道」という言葉を掲げている。秋予選では惜しくも敗れたが、選手たちは志高く、春・夏へ向かっていく。聖地・甲子園までの「600キロへの挑戦」は続いていく。

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