
都立進学校の果敢なチャレンジ
「全員野球」実践でベスト4以上へ
2021年秋にベスト16へ進出した日野台。部員全員が学年の枠を超えて切磋琢磨するチームは、強い覚悟でベスト4以上を狙っていく。
■万能プレーヤーを育成する「全員野球」
文武両道を貫く日野台は、2021年秋にベスト16へ進出し“都立ダークホース”となった。2022年夏には3回戦で早稲田実相手に好ゲームを演じたほか、2023年夏には2勝を挙げてベスト32となっている。2024年秋は予選で明学東村山に競り勝ち都大会切符を手にした。日野台は、中学軟式、近隣シニア、ボーイズ出身の選手が広く集まるが、投打に充実したメニューが組まれて、それぞれが新たな可能性を見出している。部員は1学年10人前後となっているが、半数以上がピッチャーとしても育成されていくほか、守備でも多くのポジションで経験を積む。目指すは「全員野球」。部員全員の成長が結果につながっている。
■足立新田をベスト4へ導いた指揮官
2018年から日野台を指導する畠中陽一監督は、足立新田指揮官時代の2006年に秋吉亮(元ヤクルト、日ハム、ソフトバンク)を擁して東東京ベスト4へ進出している。大島、南平を経て2018年から日野台監督となり、都立進学校での進撃を目指してきた。2018年は、校舎・グラウンド改修の時期だったため部員が減少傾向だったが、練習環境が整うと、意識の高い選手たちが集まってきた。都立で25年以上指導する畠中監督は「入試制度や授業料免除の影響で多くの生徒が私立に流れる傾向の中で都立逆風となっているかもしれないが、都立で勝ち上がることの価値を選手に伝えていきたい。都立で甲子園は決して不可能ではないと思っている」と語る。
■春・夏に向けて選手成長、気力充実
日野台の部訓は「不動心」。一喜一憂せずに目の前のプレーに集中し、27のアウトを積み上げていく。新チームの秋都大会1回戦は、試合直前の主力負傷離脱によって攻守のバランスが崩れ修徳に1対8で敗れたが、春・夏に向けて戦力は整いつつある。攻守の要・富田琥大主将(2年=捕手・外野手)、都立屈指のポテンシャルプレーヤー沖善司(2年=内野手・投手)、パンチ力の高い藤井太輝(2年=内野手)が打撃の軸となり得点に絡んでいく。投手陣は左腕・石毛翔大(2年)のほか、秋以降は幾留陸久(1年=投手)が力を伸ばし、小林輝真(1年=捕手)の成長も加味されチーム土台は安定してきた。富田主将は「自分たちの学年は、昨夏からプレーしてきた選手が多く、その経験を春・夏へつなげていく。全員の力を合わせてベスト4以上を狙う」と日々の練習に向き合う。都立のチャレンジは、部員全員の潜在能力を120%引き出すことから始まる。