【藤沢清流 野球部】「夏4強へ」 #藤沢清流

今春県大会、学校初のベスト4
最高の仲間と共に挑む「最後の夏」

 藤沢清流が今春県大会でベスト4へ進出、夏の第1シードとなった。野球を本気で楽しむ選手たちは、夏ベスト4以上、そして初の甲子園を目指す。

■新たな歴史の始まり  

今春、神奈川に大旋風が起こった。県立・藤沢清流が春のトーナメントを駆け上がったのだ。初戦から簡単な試合は1試合もなかった。1回戦の連合(津久井・相原・橋本・厚木清南・愛川・中央農業)、2回戦・光明相模原に勝利すると、3回戦・橘では延長11回の激闘を4対1で制す。4回戦では相模原弥栄に6対4で競り勝ち、5回戦では立花学園に4対3でサヨナラ勝利。学校初のベスト4進出を成し遂げた。準決勝・桐蔭学園戦の舞台は、横浜スタジアム。決勝進出をかけたゲームは自分たちの力が発揮できずに2対10で敗れたが、応援席から大きな拍手を受けてスタジアムをあとにした。それは、新たな歴史の始まりだった。

■耐震工事で校庭削減、でも強くなる  

選手たちは、昨秋の県大会でベスト16。選手たちは「夏ベスト4」を目標にトレーニングに励んだ。チームには大きなハンデがある。学校校舎耐震工事によって仮設校舎が設置され、校庭グラウンドが大幅に削減された。火・金曜日は、ダイヤモンド(内野)弱のスペース、水・木曜日はダイヤモンドが確保できる広さでの練習。周辺球場を使うこともあるが、チームは校舎の隙間などの限られたスペースを効率的に使い、打撃練習、体幹トレーニングを繰り返す。榎本正樹監督は「藤沢清流は、この環境が原点です。球場を借りることもあるが、学校練習を一番大事にしている」と話す。狭い環境で年間を通じてトレーニングに励んだ選手たちが、春ベスト4となったことは、大きな驚きだ。

■公立の挑戦は、灼熱の夏へ  

春県大会1回戦から準々決勝までの5試合はいずれも相手にリードを許しながらの逆転勝利。何度も崖っぷちに追い込まれながらも競り勝ったことがチームを進化させた。エース木島直哉(3年)だけではなく、山本気介(3年)、柴山隼人(2年)の投手陣も役割を果たした。田嶋陽人主将(3年=遊撃手)は「狭いグラウンド環境に加えて、コロナ禍の影響も受けましたが、僕らは野球を楽しむことで成長できました。夏の神奈川大会ではこういう環境でも戦えることを示して、春以上の野球をみせたい」と夏へ向かう。2019年春ベスト8に続き、さらなる戦果を挙げた榎本監督は「いろいろな巡り合わせがあったが、選手たちは粘り強く戦ってくれた。この経験を夏へつなげてほしい」と寄り添う。最高の仲間と共に挑む「最後の夏」。選手たちは、狭い校庭で培った力を、大舞台で発揮する。公立の挑戦は、灼熱の夏へと続いていく。

 

 

 

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