春夏6度の甲子園出場を誇る伝統校
春ベスト8、シードで19年ぶりの甲子園へ
春夏6度の甲子園出場を誇る伝統校・小山。コロナ禍でも進化を遂げるチームは2003年夏以来、19年ぶりの甲子園を目指す。
■野球部後援会主催の招待試合開催
伝統校復活へ地域の期待は高まっている。小山は、春2回、夏4回の甲子園出場実績がある。1968年夏に甲子園初出場、そして1976年の春選抜では準優勝に輝いている。小山の高校応接室には、甲子園出場時の盾やトロフィーがずらりと並ぶ。時代は流れているが、伝統の底力はいまも野球部に継承されている。6月4日には、小山野球部OBの鈴木博識監督が指揮する鹿島学園高(茨城)との招待試合が小山運動公園硬式野球場で行われた。野球部の復活を願う野球部後援会の主催で、市民ら約1000人が球場に足を運んだ。地域の応援を受けるチームは、大きな力を得て夏の栃木大会へ向かう。
■サウスポーエース大澤が軸
今年のチームは、何かが起きる予感が漂っている。昨夏3回戦で作新学院と対戦し2対3のゲームを演じたサウスポーエース大澤奏次郎(3年)がチームの軸となり、上位進出をうかがう準備が出来ている。昨秋は3回戦で高根沢に惜敗したが、今春は1回戦で宇都宮、2回戦で栃木、3回戦で足利大附を撃破しベスト8へ進出。準々決勝では再び作新学院と対峙。エース大澤の好投によって接戦に持ち込んだが0対3で敗れた。金星を挙げることができなかったが、作新学院を3点に抑えた投手力・守備力は評価できる。秋・春の栃木県大会優秀選手に選出された大澤は「夏は負ければ終わり。私学強豪相手に惜しい試合で満足するのではなく、勝てるピッチャーにならなければいけない」と夏のマウンドに立つ。
■打撃陣の奮起がポイント
春ベスト8となったチームはシード校として栃木大会に参戦する。キャプテンとしてチームをまとめるのは、田口幹葵主将(3年=捕手)。田口は、キャッチャーとしてエース大澤の長所を引き出し、打撃では勝負強いバッティングをみせる。打線では、田口、田原玲(3年=外野手)、山﨑聡久(2年=内野手)らがエース大澤を援護射撃できるかが鍵となる。斎藤崇監督は「シード校になったが受け身になるのではなく、一丸となってチャレンジしていく必要がある。投手は計算できるので、いかに得点を奪うか。接戦に持ち込めば十分に勝機はある」と話す。今年のスローガンは「不撓不屈」。あきらめない戦いで、最後まで食らいついていく覚悟を示す。田口主将は「ベンチ、スタンドが一体となって戦っていく。このチームにスターはいないので全員野球でつないで甲子園に行きたい」と力を込める。復活の足音が、聞こえている。