【板橋 高校野球部】「下剋上」

板橋が東東京大会で城東を倒す番狂わせを起こした。

校舎改築で練習場がない中で努力を続けたチームが下剋上を果たした。

■ 江戸川球場に衝撃

江戸川球場に衝撃が走った。

板橋が、都立強豪の城東を破ってみせたのだ。

柴崎正太監督が就任した2016年、チームはどん底だった。

学校生活を正すところから始まったチームは、校舎改築による影響で三角形の中庭での練習を余儀なくされた。

指揮官の情熱と選手たちの意欲がしだいに噛み合うようになると、2017年夏に2勝を挙げてベスト32へ進出した。

力を蓄えていったチームは2018年も32強へ進出、だがその結果にだれも満足はしていなかった。

■ 「甲子園」夢から目標へ

2019年のチームは、「甲子園」を夢から目標に設定し、ベスト16を通過点とし始動した。

絶対エース黒岩真人(3年)を擁したチームは、秋、春大会で悔しさを味わいながらも、初夏には闘える集団に変貌していった。

夏大会前、指揮官は選手にこう伝えたという。

「目指す場所は、『甲子園』。今年こそ城東クラスの強豪を倒してベスト16の壁を破ってこそ本物。初戦から城東クラスの強豪のくじを引いてこい」。

新藤晴斗前主将(3年)は監督の期待に応えて、城東を引き当てた。「俺たちは勝てる!」。チームの士気は一気に上がった。

 

■ チームで一番信頼されていた男

城東戦、エース黒岩は抜群の制球力を武器に安定したピッチングをみせていく。

勝機があるのはロースコアの戦い。板橋は初回に満塁からの押し出し死球で1点を先制すると、1対0のまま中盤までゲームを進めていく。

守備陣は無失策でエースをサポートした。

6回2死1・2塁のチャンスで打席に立ったのは、チームで一番信頼されていた努力の男・藤本一輝(3年=内野手)。このチャンスを無駄にするわけにはいかない。

藤本はセンター前にはじき返し、追加点を奪ってみせた。

 

■ 逆境に屈しない信念

8回にソロ本塁打を許して2対1となったが動揺はなかったという。

同8回、エース黒岩が、相手の4番に対して真っ向勝負、強気の攻めでアウトを稼ぐと、最後まで投げ抜いて被安打7の完投勝利、チームに大金星を導いた。

柴崎監督は「1年間、選手たちが努力してきたことのすべてがつながった。逆境に屈せずに信念を持って、戦った結果が勝利になった」と勝利をかみしめた。

下剋上を果たしたチームは3回戦で墨田工を撃破し32強へ進出、16強入りをかけて高島と対戦したが0対1で惜敗した。

ベスト16入りは、次世代の選手たちへ託された。

■ 先輩たちに感謝

新たな使命を背負って始動した新チームは、意欲的に練習へ取り組んでいるという。

わずか5年前、廃部寸前だった野球部は劇的に変化をみせている。来年3月には、新グラウンドが完成し、練習環境も整う。

内川裕斗新主将(2年=内野手)は「厳しい環境で努力してくれた先輩たちがいるから、僕らが新しいグラウンドで野球ができる。そのことに感謝しながら、必ずこのチームでベスト16を達成する。

先輩たちが残してくれた結果にふさわしいチームにしたい」と練習に励む。

夏の城東撃破は、チームが「本物」になるための一歩。

板橋は、都立最強、そして東京制覇を目指して次なるステージへ向かう。

不可能を可能にしてきたチームには、さらなる喜びと感動が待っている。

 

【監督プロフィール】板橋・柴崎正太監督

1987年、東京都生まれ。江戸川-日体大。目黒高で部長、監督として4年間、野球部を指導。2015年に板橋へ異動し、2016年夏に監督へ就任。

 

 


東京都立板橋高等学校

【学校紹介】

住 所:東京都板橋区大谷口1-54-1

創 立:1928年

甲子園:なし

東京メトロ有楽町線・副都心線「千川駅」から徒歩5分に距離にある都立校。現在校舎が新築中で、仮設校舎で授業を行っている。野球部は3年連続ベスト32進出。

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