【相模原 高校野球部】「再び、打ち勝つ」

夏4強の自信と誇り。
再び私立の壁を打ち破る

今夏、創部史上初の夏ベスト4進出を果たした相模原。

新チームとなっても「打ち勝つ野球」を継承し、さらなる高みを目指す。

(取材・三和直樹)

■ 横浜を倒した価値ある夏4強

熱く激しく、そして清々しく、夏を駆け抜けた。

ノーシードから湘南学院、日大高、横浜商を倒して勝ち上がると、準々決勝では第1シードの横浜に8対6の逆転勝ち。

公立校ながら「打ち勝つ野球」で私立強豪を次々と撃破するセンセーショナルな戦いぶりで“県相旋風”を巻き起こした。

続く準決勝で優勝した東海大相模に敗れたが、その健闘ぶりに横浜スタジアムのスタンドからは万雷の拍手が沸き起こった。「声援が温かかったですね」と佐相眞澄監督。

創部初の4強躍進の理由を「試合を重ねる度に選手たちが成長した。

粘り強さがあった。

何より、最後まで諦めなかった」と分析するとともに、「メンバーに入っていなかった3年生たちも含めたチーム全体のまとまり、一体感があった」と価値ある夏に胸を張る。

■ 継続するもの、変わらないもの

チームの合言葉は「束になる」だった。

それは新チームとなっても変わらない。

「先輩たちには『自分たちを超えてくれ』、『甲子園に出てくれ』と言われました。

今度は自分がチームを引っ張って行きたい」と温品直翔主将(2年)。

「試合に出ているメンバーだけじゃなく、周りのすべての人の思いが見えないパワーを生んだ」と語る佐相監督は「そういう雰囲気は以前からあったし、それが一昨年よりも去年、去年よりも今年という形で年々パワーアップしてきている」と経年でのチームの成長を実感する。

そしてその流れは、今後も続く。

全国最激戦区と呼ばれる神奈川。

横浜に勝利した後に感じたものは、東海大相模の圧倒的な強さだった。

「壁を乗り越えたら、また次の壁が見えた。壁は一つじゃない」と佐相監督は言うが、目指す野球を変えるつもりはない。

「今度は二つ目の壁も突き破る力が必要。やっぱり私学に勝つには打つしかない」と拳を握り直している。

■ 「打ち勝つ野球」を継承して

今夏の戦いを、必ず次に繋げる。

新チームは2年生25人、1年生13人でスタート。

「バッティングは去年の初めと同じぐらいの力はある」と佐相監督は話す。

自らの定年問題の影響で1年生の人数が少ないが、無事に再任用も決定して気持ちも新た。

東海大相模に敗れた次の日からほぼ休みなしでチームを指導し、8月17日から始まった秋季大会の北相地区予選では、有馬(10対0)、大和南(9対2)を難なく下し、難敵・厚木北も9対2でコールド勝ち。

今夏の大会でも大活躍した温品を新主将に、同じく夏にベンチ入りしていた白井助(1年)を新4番に据え、「打ち勝つ野球」を早くも体現している。

「1、2年生は3年生と一緒に練習して、先輩たちがどういう練習をしていたのか、どういう努力をしていたのかを見ている。この子たちは観察力がある。いいところはちゃんと真似をする。先輩たちの野球を受け継いでもらいたい」と佐相監督。

その期待通り、早くも前チームを彷彿とさせる戦いぶりで“先輩超え”の予感も漂わせている。

そう。“県相旋風”は、まだ終わっていない。

さらに大きな束となり、再び神奈川に強く、激しい風を送り込む。

 


神奈川県立相模原高等学校

【学校紹介】
住 所:神奈川県相模原市中央区横山1-7-20
創 立:1963年
甲子園:なし
「県相(けんそう)」の愛称で親しまれる公立校。学力向上進学重点校として文武両道、切磋琢磨をモットーとし、国公立大、早慶上理やMARCHなど難関私大へ多くの現役合格者を輩出。校訓は「礼節」、「信義」、「根性」。野球部は2015年の春季県大会で準優勝し、関東大会に出場した実績を持つ。

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