【静岡東 野球部】「自分に負けるな」

文武両道を貫く県トップクラスの進学校。

仲間とともに「最後までやり切る」

昨年秋の中部大会敗者復活戦で常葉大橘を撃破した文武両道の進学校・静岡東。

甲子園の夢は叶わぬものとなったが代替大会ベスト8以上を目標に「最後までやり切る」覚悟だ。

2020年7月号掲載
(取材・栗山司)

■ 文武両道の進学校

近年は国公立大への進学率が高く、県トップクラスの進学校として名を馳せる静岡東。

学校創立は1963年。

ほぼ時を同じくして、野球部も創部された。

2006年夏には県ベスト8進出。「自分に負けるな」の生徒実行目標の下、文武両道を貫いている。

就任4年目となる戸塚哲弥監督は新居、清水西、静岡市立でチームを率いた実績を持つ。

投手を中心とした守備に重点を置きながら、機動力を絡めた緻密な野球を展開する。

昨秋は2013年以来となる秋の県大会出場まで、あと一歩と迫った。

■ あと1勝の壁に泣く

中部大会の2回戦では静岡商に敗れたものの、敗者復活戦では甲子園出場3回を誇る常葉大橘を撃破した。

主将の平島樹(3年=内野手)が常葉大橘戦を振り返る。

「相手のピッチャーは球が速いし、能力があるとわかっていたので、コンパクトな打撃でつなぐことを意識しました」

打つだけでなく機動力を絡ませて8点を奪うと、佐藤春音(3年)と望月慧(2年)の投手陣が粘り強い投球を見せた。

だが、中部5位決定戦では清水西にコールド負けを喫する。

6回に3点差を追いついたが、7回に一挙7点を失った。

戸塚監督は「6回に同点にしただけではダメ。やっぱり、勝ち越さないと。そういうところが勝負弱さかな」と分析する。

■ 冬の間でチーム力アップ

オフ期間は勝負勘を養いたいと、トレーニングと並行しながら、例年よりも球を使う機会を増やした。

ときには、走者をつけながら実戦的な場面を想定。

攻撃では得点を奪う方法、守備では細かなフォーメーションにも目を配った。

「僕たちは個人としてずば抜けた能力のある選手がいないので、自分たちにあった戦術で、1つずつ落ち着いて丁寧にプレーすることが大事だと思っています」(平島主将)

その上で、「最後までやり切る」をテーマにした。

平日の部活動は午後7時まで。

土曜日が授業になることもある。

短い練習時間の中でも集中し、最後までやり切ることで効果を出していく。

■ 目指すはベスト8以上

平岩主将は「夏の大会での目標はベスト8以上」と口にする。

「ビックプレーとかスーパープレーを出すのではなく、堅実な野球で勝っていきます」

安定した投手陣に、打線は平岩謙信(3年=内野手)、平島、市瀬楓真(3年=内野手)を中心に力をつけ、戸塚監督は「あとは自信を持ってやってくれれば」と語る。

昨年秋には選抜出場校の加藤学園と練習試合で対戦。

1対5で敗れたが、「やることをやれば勝負できる」と選手たちは手応えをつかんだ。

決して派手さはないが、静岡東スタイルでコツコツと実力を高め、夏に大きな花を咲かせる。

静岡東高等学校

【学校紹介】
住 所:静岡県静岡市葵区川合3-24-1
創 立:1963年
甲子園:なし
2010年以降、国公立大学合格率50パーセント以上の進学校。

部活動も盛んで、県大会上位入賞、全国大会出場の部もある。

野球部は創立とほぼ同時期に創部。

2006年夏に県ベスト8入りを果たす。

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