2021年夏に初ベスト8進出の進学校
一球への想いを夏の舞台で体現

2021年夏に初ベスト8進出を果たした進学校・淑徳。投打のバランスを整える今年のチームは、2021年超えを狙って夏のトーナメントへ挑む。目指すは「東の聖地(神宮)から西の聖地(甲子園)」だ。

■2021年夏にベスト8、2022年はベスト32

あの夏の進撃は記憶に新しい。2021年夏、淑徳は4回戦で東京実に4対3でサヨナラ勝利。続く5回戦では小岩に6対5で逆転勝利を収めて、初のベスト8進出を果たした。準々決勝では二松学舎大附と対戦し序盤は互角の争いを演じた。だが中盤以降に突き放されて敗戦となったものの堂々のベスト8。1992年に男女共学となり野球部の誕生につながっていったが、共学化から30年で大きな歴史の扉を開いた。一つの実績を残した淑徳は、2022年夏も4回戦(ベスト32)に進出した。今夏の2・3年生は2021、2022年の戦果を知って淑徳の門を叩いた生徒たち。進撃の準備は整っている。

■投打の力を秘める個性派軍団

今年のチームは、攻守に能力の高い選手が集まる個性派軍団。坪田智徳主将(3年=外野手)がまとめ役となりチームを牽引していく。打撃の軸は、パワーとしなやかさを兼ね備える4番・時武輝(3年=内野手)、高いOPS(出塁率+長打率)を誇る好打者・高見聡士朗(2年=内野手)たち。守備では、制球力に長ける2年生エース八重尾蓮、抜群のインサイドワークをみせる下居優斗(2年=捕手)のバッテリーを軸にゲームを進めていく。今春は1回戦で高島に2対1で勝利したが、2回戦で城西に0対5で屈した。淑徳は今夏、シードクラスのチームを撃破して道を切り拓いていく。坪田主将は「自分たちの代で結果を残して次なる歴史を作っていきたい」とトーナメントを駆け上がる覚悟だ。

■「後悔のない、積極的なプレーを」

チームを指揮する中倉祐一監督は、夏へ向かう選手たちに自身の経験を伝えている。群馬県出身の指揮官は、太田高3年生の春に県優勝を果たして第1シードで夏へ挑んだ。しかし夏は初戦でシード漏れの強豪と対戦し激闘の末に敗れたという。最後のバッターとなった中倉監督は「初球の甘いボールを見逃してしまって難しくなった。“あの一球”が今も忘れられない。淑徳の選手たちには、後悔のないプレーをして戦い抜いてほしい」とエールを送る。練習から伝えているのは、「一球の大切さ」だ。選手たちは練習中から一球に集中して、努力を重ねてきた。ベスト8となった2021年夏は、

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