【堀  越 野球部】「復活」

春夏通算10度の甲子園出場の名門。

ベテラン指揮官就任2年目、復活に兆し

1969年選抜で準優勝し春夏通算10度の甲子園出場を誇る古豪・堀越。

再建を目指すチームは、ベテラン指揮官のもと再出発を図っている。

(取材・伊藤寿学)

■ 最後の甲子園は1997年

春夏通算10度の甲子園出場を誇る古豪だ。

野球部OBには、楽天から海を渡ってメジャーでプレーした岩隈久志(巨人)や、中日、巨人でプレーした井端弘和氏などがいる。

1969年選抜で準優勝するなど輝かしい実績があるが、1997年夏以降は、甲子園への道が途絶えている。

復活をかけた堀越には、2018年にベテラン指揮官・小田川雅彦監督が着任した。

修徳監督時代に2度の甲子園出場を果たし、中学軟式でも実績を残した指揮官は、修徳教員を定年後、担任した生徒を1年間見守ったあとの61歳で、堀越監督の任を受けた。

■ 甲子園実績を持つ指揮官就任

新天地へやってきた小田川監督は、その環境に驚いたという。

10度の甲子園出場がある名門だが、その実績を誇るものはほとんどなく、選手たちも自信を失っていた。

小田川監督は「長い間、甲子園から遠ざかったことで、伝統も自信も埋もれてしまったようだった。

私の仕事は、それらを取り戻すことだと思った」と就任当時の様子を話す。

就任直後の春都大会で城東に敗れたあと、ミーティングを開いた。

指揮官が試合の振り返りを行うと、選手たちは目を輝かせて聞いていたという。

それをみて、大きな可能性を感じたという。

■ 戦いの一歩はルールを知ること

堀越の選手たちは、「塁間距離」「マウンドの距離」「ボールの重さ」などのデータがインプットされている。

さらに「審判への疑義申し出」などの規則を暗記している。

選手に尋ねると、スラスラと定義を口にする。

小田川監督は「いろいろなゲームにルールがあるように、野球にもルールがある。

それを知らなければ戦えないし、アピールもできない」と、選手たちに知識を植え付ける。

野球の魅力を知り、ルールを知った選手たちは、指揮官の言葉をスポンジのように吸収している。

■ 今秋都大会は3回戦敗退もチームに手応え

復活の兆しは、はっきりとみえている。

昨夏の東東京大会はベスト8へ進出、今夏も5回戦まで進出した。

夏の主力が残った今年のチームは1年生30人、2年生20人の50人体制。

自信を持って臨んだ秋都大会は、2回戦で東京実業を撃破し勢いに乗ったかにみえたが、3回戦で共栄学園に屈した。

エース佐藤龍生(2年)が粘りの投球をみせたが、相手のエース清水一眞の前に2安打しか打つことができずに2対4で力尽きた。

1年生スラッガー田倉正翔(1年=内野手)がソロアーチを放つも、攻撃が単発に終わった。

中林拓夢主将(2年=内野手)は「もっと上へ行けると思っていたが甘くなかった。

打撃のチームなのにヒットが出ずに自分たちの力の無さを感じた。

もう一度、鍛え直して、夏に甲子園を目指す」と雪辱を誓う。

1997年夏以来24年ぶりの甲子園を狙うチームは、伝統という名の地図を手に、聖地までの道のりを探っている。


堀越高等学校

【学校紹介】
住 所:東京都中野区中央2-56-2(東京都八王子市館町2600)
創 立:1923年
甲子園:10回(春5回・夏5回)
春夏通算10度の甲子園出場の伝統校。

1969年選抜で準優勝した実績も持つ。

最後の甲子園は1997年夏。

2020年に24年ぶりの甲子園を目指す。

野球部OBに岩隈久志、井端弘和ら。

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