2025年秋【チーム分析】清水桜が丘 悲願の甲子園初出場へ、主体性重視のマネジメント「運命を変えろ」
清水桜が丘

清水桜が丘
「運命を変えろ」

今秋予選で駿河総合を撃破し好発進
悲願の甲子園へ「考えて行動する」

 今年4月から松下雄彦監督が指揮を執る清水桜が丘。新チームで迎えた今秋は実力校に競り勝ち予選突破。主体性を重視するマネジメントで悲願の甲子園初出場を目指す。(取材・栗山司)

■新監督のもとで船出


 今秋の県予選、清水桜が丘は初戦で実力校・駿河総合と対戦した。

先制を許したものの、3回に3番・望月瑛太(2年)の2点タイムリー三塁打などで逆転に成功。5回のピンチからマウンドに上がった佐藤遥海(2年)は「腕を振ってコースに投げきれた」と振り返るように、一球一球に声を出しながら最後まで投げ抜き、7対4で勝利を飾った。


 濃いベージュを基調とした新ユニホームで迎えた初戦。負けるわけにはいかなかった。試合後、松下雄彦監督は「このくじを引いたときは厳しい戦いになると思ったが、よく頑張ってくれた」と嬉し涙を流し、選手たちを労った。


■ミーティングで伝えた3つの約束


 松下監督は前身の清水市立商の出身。前任校の相良ではチームをベスト16に導いた実績を持ち、清水桜が丘に赴任後は副部長、部長としてバックアップ。今年4月から指揮を執っている。


 就任後の最初のミーティングで伝えたのは3つのことだった。
①形だけの行動をやめること
②自立と自律を大切にすること
③考える習慣を身につけること
 とりわけ「考えて行動する」ことを強調し、「試合になったときの対応力が大切になる。だからこそ日頃から考える習慣をつけて欲しい」と訴えた。


 練習メニューは監督が作成するが、大まかな時間配分は選手たちに委ねる。グラウンドでは監督の指示よりも選手同士で話し合う機会を増やし、主体性を重視している。


■強豪との練習試合で実力を高める


 新チーム結成後は強豪との練習試合にも積極的に挑んだ。日本航空(山梨)や甲子園メンバー外の山梨学院との対戦で得た経験は大きく、主将の石川星一(2年=外野手)はこう語る。「あの経験があったから、駿河総合戦は自信を持って戦えたと思います」


 県予選ではその後、静岡高に敗れたものの、敗者復活戦で島田を下し、県大会出場を決めている。チームの核となるのは、東海大静岡翔洋中時代に全国制覇を経験した石川と横田侑門(2年=内野手)。さらに、夏から1番を務める永野泰大(2年=内野手)は高い出塁率を誇る。足の速い選手も揃い、どこからでも得点できるのが強みだ。


 目指すは悲願の甲子園初出場。「運命を変えろ」を合言葉に、清水桜が丘は新たな歴史の扉を開こうとしている。

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