今夏栃木大会で5年ぶりベスト8進出
野球を学び、野球を好きになることで強くなる
今夏の栃木県大会でベスト8に進出した真岡。元プロ野球楽天フィジカルコーチが指揮を執る伝統公立校は、勝利を追求すると共に野球の面白さを追求していく。
■夏は3回戦でシード撃破し8強進出
真岡は今夏の栃木大会で躍進した。前チームはエース髙橋昂太郎(3年)、菅又裕大(3年)、角川智輝主将(3年)のクリーンアップらを軸に灼熱のトーナメントに挑んだ。1回戦で栃木農、2回戦で栃木商を撃破。3回戦でシード小山と対戦し、終盤の逆転劇によって3対1で勝ち切り、5年ぶりにベスト8進出を果たした。準々決勝の相手は作新学院。選手たちは、ありったけの力をぶつけたがゲーム中盤に地力の差を見せられて1対8で戦いを終えた。ベスト4進出は逃したが、公立ベスト8以上は準優勝の宇都宮南と真岡のみ。真岡は伝統校の矜持を夏大会に刻みつけた。
■野球の面白さ、奥深さを追求
真岡を率いる小山監督は公立屈指の実力校・石橋高出身。筑波大学院卒業後に、プロ野球・楽天のコンディショニングコーチとして従事。田中将大らをサポートし2013年にはリーグ優勝、そして日本シリーズ優勝を経験した。アメリカ留学後に教員となり、小山北桜を経て2018年に真岡に着任、2019年から監督を務める。小山監督は「大会などの大舞台で力を発揮する選手の共通点は、『野球好き』であること。野球を様々な視点や角度からみて、より一層興味を持ってほしい。そして将来は、野球を伝道していってほしい」と、生徒たちに野球の魅力を伝えている。結果はもちろん大事だが、真岡では野球の面白さ、奥深さを結果と共に追求している。
■野球を学び、自らの力に変えていくチーム
夏大会後に始動した新チームは、ひたむきに努力できる選手たちが揃っている。2年生は6人と少ないが、山根幸之助主将(2年=外野手・内野手)を屋台骨にして一つにまとまっている。夏のチームからメンバーが大きく入れ替わった中で、夏のマウンドに立った1年生本格派・髙橋祐士郎と、ポテンシャル十分の松尾倖多(2年=投手)の両右腕が軸となり、チームは形成されていった。秋季県大会では初戦で宇都宮と対戦して2対5で屈し無念にも初戦で秋を終えた。山根主将は「当たり前のことが出来ていなくて自分たちに甘さがあった。冬は技術・フィジカルだけではなく人間的にも成長して、先輩たちのベスト8を超えていきたい」と力を込める。指揮官によると、この冬は、伝統的なウエイトトレーニングに加え、身体の厚みを出すために、体幹にも負荷をかけて鍛えていくという。野球を学び、自らの力に変えていくチームは、春・夏の進化を信じて邁進していく。真岡は、野球をさらに好きになることで強くなる。