【工学院大附】 「DX野球」

IoTベースボールで新たなスタイル構築
SNSも積極活用してイノベーション実行

 

1991年夏に西東京ベスト4となった伝統を持つ工学院大附。選手の意欲を重視するチームは、デジタルトランスフォーメーション(DX)野球で西東京の頂点を狙う。

■学校へのプレゼンでデータ測定器導入  

工学院大附の3年生・前田樹はアナリストとしてフィールドマネージャーを務めている。選手として入部したが、仲間たちをサポートするため1年夏にフィールドマネージャーを志願した。そして、その秋に雨宮啓太監督に投球・打撃データ測定器・ラプソード導入を打診した。決して安価ではないため野球部の予算では購入できない。指揮官は、前田や選手たちの声に耳を傾け意見を集約。前田を中心として学校側にプレゼンテーションすることを提案した。前田たちは、ラプソードを活用しているチームから情報を集めて資料を作り上げた。チームを代表して前田が学校長や理事長にプレゼンテーション。その結果、学校や同窓会の協力によってラプソード導入が決まった。

■データを集積し実戦に活用  

目指すのは、デジタルトランスフォーメーション(DX)野球だ。前田は、データ担当マネージャーの海津康介(2年)と共にデータを集積し、実戦に活用すべく準備を進める。前田は「これまで選手の調子の良さは本人の感覚でしか把握できませんでしたが、数字によって判断することができるようになりました。データを年間で管理することで、選手の刺激になり、成長につながります。ラプソード導入に協力してくれた学校に感謝しています。結果を残すことで感謝を伝えたい」と話す。ラプソード導入後、チームはインスタグラムを利用して積極的に情報発信。選手の日常や取り組みなどを広く伝えている。さらに女子マネージャーの有田安澄(3年)らが、ランメニュー時にグラウンドで音楽を流している。選手にアンケートを取り曲目を設定。プレイリストには「ONE OK ROCK」から「尾崎豊」まで時代を超えた名曲が並ぶ。有田は「選手が結果を残せるようにサポートしていく」と選手と共に夏大会を目指す。

■選手主体のDX野球  

今年のチームは昨秋一次予選で桜美林と対戦して完敗を喫した。再起を誓うチームは冬のオフシーズンを利用して、チーム内での冬季リーグ戦を実施した。全体を3チームに分けて、各チームの“監督”がドラフト会議を実施。途中でトレードを挟むなど戦力調整を行い、実戦形式で経験値を高めた。吉武楽偉主将(3年=内野手)は「ラプソードを含めてみんなが多くの体験をすることでチームは強くなった。今までやってきたことを発揮して、春・夏に勝ち上がりたい」と士気を高める。雨宮監督は「ラプソード導入やSNS活用によって選手が自発的に動く機会が多くなった。選手の“やりたい気持ち”を尊重することによってチームは大きく変わってきた。時代に合った野球部の新しいカタチを築いていきたい」と語る。野球の主役は、選手たち。工学院大附は選手主体のDX野球で、甲子園への道を切り拓く。

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