3年生の皆さん、お疲れ様でした!
今春3回戦で二松学舎大附に勝利
2016年夏以来、2度目の甲子園へ
2016年夏に初の甲子園出場を決めた八王子。今年のチームは、7年ぶり2度目の甲子園に照準を合わせて戦い抜いていく。
■ひたむきに努力できるチーム
今年のチームは、例年と比較して派手さはないが堅実に戦えるチームだ。ひたむきに努力できる選手が揃い、一体感は例年以上。一昨年、昨年は羽田慎之介(現西武)や星野翔太(城西大)らプロ注目の大型投手を擁しての戦いだったが、今年は彼らのようなスター選手はいない。前チームから選手が大きく入れ替わった新チームは、昨秋1回戦で小平に勝利し、2回戦で岩倉と対戦。エース鈴木裕晴(3年)の好投によって2対1で9回を迎えたが、耐えきれずに無情のサヨナラ負けとなった。エース鈴木は「ひと回り大きくなって春、夏に戻ってくる」と話して大会を去った。
■二松学舎大附に延長戦勝利
チームは冬のトレーニングによってスケールアップを果たした。進化を証明したのは、春季大会3回戦の二松学舎大附戦だった。4季連続甲子園出場の東東京・無敵艦隊の二松学舎大附に対してゲーム中盤まで3点ビハインドとなったが、終盤に底力を発揮。川添皓生(3年=内野手・投手)の投打の活躍によって同点に追いつき、延長タイブレークに持ち込むと5対3で勝ち切って番狂わせを起こした。安藤徳明監督は「大会前に二松学舎大附の映像を確認したが、(戦力的に)難しい試合になるのは分かっていた。選手たちがあきらめずに最後まで食らいついていったことが勝利につながった」と選手を称えた。
■「ありんこ軍団」の原点追求
夏に向けて士気高まるチームをまとめるのは、山田昊志郎主将(3年=内野手)。どんな状況でも前向きに戦えるキャプテンを軸にチームは一つになっている。エース鈴木は冬を超えてフィジカルアップ、球威が増したことでピッチングの幅が広がった。打撃陣は、八王子野球の体現者・寺内夕萌(3年=内野手)、主砲・北條葉琉(3年=外野手)、ラッキーボーイ川添ら個性あふれる選手が打順を彩る。どこからでも得点を奪えるのが今年のチームの武器だ。夏大会前の関東強豪との練習試合でも好ゲームを演じるなど仕上がりは上々。山田主将は「勝ちたい気持ちはどこにも負けない。突き抜けた選手はいないが、チーム全員がつないでいくことで勝ち上がっていきたい」と夏のトーナメントを睨む。チームスローガンは「ありんこ軍団」。一人ひとりの力は小さいかもしれないが、それを合わせることで勇猛果敢に巨像をも倒す。今夏は、八王子野球の原点を追求していく。