【高崎北 野球部】「ターニングポイント」

 

前橋工を撃破する「大金星」。

群馬の勢力図を塗り替える進学校

2019年夏1回戦で伝統校・前橋工を倒して群馬の勢力図を塗り替えた高崎北。

士気上がるチームは、さらなる番狂わせを狙う。

■ ファーストストライクを狙え!

2019年夏のトーナメント抽選によって、1回戦の相手は前橋工に決まった。

幾多の甲子園出場を誇る伝統校で、実績は相手が上。

下馬評は前橋工有利。

しかし、高崎北の指揮官をはじめ選手たちに臆するところは微塵もなかった。

赴任2年目、選手たちに寄り添いながらチームを進化させてきた青木達也監督は大会前の激励会で「この前橋工戦は、今後の高崎北野球部の未来を占う分岐点になる」と意思表明、強い覚悟を携えて初戦へ臨んだ。

狙うは、伝統校からの金星。

格上に挑むにあたり、勝負すべきポイントを選手に伝えた。

技術、パワーでは勝てない。

自分たちに失うものは何もない。

好球必打。

青木監督は「ファーストストライクから積極的に打て」と助言し、選手たちを送り出した。

ゲームは4回表を終えて1対3。

相手の圧力に押されてじわじわと離されていった。

しかし、努力が結実した。

4回裏に一挙5点のビッグイニングを作り逆転に成功すると、中盤にも加点し9対4で9回を迎えた。

しかし格上相手の5点差は、セーフティリードではない。

勝利を意識する最終回は、危険なイニングだ。

指揮官は「試合は9回までじゃない。

10回までプレーするつもりで戦え」とアドバイス。

気負いが消えたチームは9回も守り抜き、勝利を収めた。

チームは3回戦で私学強豪の桐生第一と対戦、0対4でリードされて終盤を迎えたが9回表に4対6まで追いつく執念をみせた。

3回戦敗退で終えたが、チームのターニングポイントとなる大会だった。

■ この夏を超えるために

夏大会後、新たなスタートを切ったチームは、エース清水美空(2年=投手)、女房役の山田陸翔(1年生=捕手)のバッテリー、そしてパワーと勝負強さを備える主砲・北詰尋紀(2年=内野手)がそのまま残る絶対的なアドバンテージを持っている。

石井航平新主将(2年=外野手)を中心に、この夏を超えるべく鍛錬を積んだチームは、自信を持ってオープン戦へ向かった。

夏を経験した2年生レギュラーも多く、仕上がりは順調かと思われたが、甘くはなかったという。

青木監督は「『できる』と勘違いしていたことが『できなかった』。

3年生の夏の『貯金』は、新チームではゼロ。

選手たちが自分たちで作っていかなければいけない」と自立を促した。

石井主将は「3年生が抜けて、先輩たちの存在の大きさがわかった。

夏を超えるためには、3年生以上の努力をしなければいけないと感じた」と話す。

高崎北で初めて高校野球の指揮を執る2年目の青木監督は、情熱を持って選手に寄り添いながらチームに適した指導を行ってきた。

土台を固める高崎北は、一歩一歩進むことで、成長を遂げている。

青木監督は「2019年の夏は、監督としては忘れられない大会となると思う。

練習試合でなかなか結果が出なかった3年生が、大舞台でタイムリーを打つなど活躍してくれた。

努力が結果につながったことが指導者として本当にうれしい。

この夏の経験を今後につなげていきたい」と意欲をみせる。

 

新ユニフォームは漢字

高崎北は今秋、ユニフォームデザインを新調した。

それまでは英語で「Takakita」だったが、漢字で「高崎北髙」と入れて新たなスタートを切った。

成長を遂げるチームは、このユニフォームで次なる歴史を作っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


群馬県立高崎北高等学校

【学校紹介】
住 所:群馬県高崎市井出町1080
創 立:1978年
甲子園:なし
高崎市郊外にある文武両道の進学校で、「進学重視型単位制高校」。
9割の生徒が部活動に所属し、学校も活気があふれる。
運動部では、ソフトテニス、弓道などが強豪。

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