戦国神奈川でキラリと光る戦績。
選手たちの主体性を伸ばす指導
2014年夏の5回戦進出など近年の各大会で着実な成果を残す横浜清陵。
青山健児監督就任から約1年、チームは確固たる地力をつけ始めている。
■ ダークホース的存在の公立精鋭
私学すう勢の神奈川の中でキラリと光る戦績を残している公立精鋭・横浜清陵。
近年では2014年夏の5回戦進出をはじめ、毎年のように春秋の予選を突破し県大会へ進出、上位進出のチャンスを狙っている。
昨年夏は3回戦へ進出、昨秋大会は県大会2回戦で敗れたが、チームの可能性は示した。
現在のチームを率いるのは、青山健児監督だ。
2017年まで横須賀を指揮し、2018年に横浜清陵へ。
2019年2月に監督に就任し、選手たちの主体性を伸ばす指導を試みる。
大学卒業後、一般企業で12年間勤めた経験を持つ異色の指揮官は「強制的にやらせるのも一つの策だと思いますが、選手たちが社会に出たときに自分から行動できるような方法を選んでいる」と話す。
■ 真面目にコツコツと
練習では、30分から1時間ほどの課題練習の時間を必ず設けている。
当初は、選手たちが戸惑っていたが、いまでは足りない部分を把握した上で、工夫をしながら練習を考える姿がみられるようになっている。
野球ノートも以前は毎週提出させていたが、いまでは不定期提出。
すべては選手たちの意志に任せている。
指揮官は「野球をするのは選手たち。
最終的には自分で自分を追い込めるかが大切になってくる。
いまの2年生は小粒だが、真面目にコツコツと努力できる選手が多い。
こういうチームは、夏に必ず結果が出ると思うし、結果を出させてあげないといけないと思っている」と指導にあたる。
■ 苦しい時間を乗り越えて
真面目な集団を引っ張るのは、チーム一番の努力家・竹之下一騎主将(2年=内野手)。
身長160センチと小柄だが、センスあふれるプレーで守備を支えるショートストッパー。
キャプテンを支えるのは、西田騎集副将(2年=内野手)だ。
西田副将は、昨夏大会も出場したが自らのエラーも影響しチームは敗れた。
西田副将は「夏の難しさを自分が伝えていかなければいけない。
自分がキャプテンのつもりでやっている」と自覚する。
チームは1年生の柳下温人(内野手)も力を伸ばすなど学年を越えて競争が激化、春以降のポジション争いは熾烈だ。
2020年の夏へ挑む選手たちが決めたチームスローガンは「苦越心笑」。
竹之下主将は「苦しい時間を乗り越えて、最後に笑うチームになりたい」と覚悟を決める。
過酷な冬を経て一体となったチームは、過去最高の夏ベスト16を越えて、未知なる領域を目指す。
努力は、不可能を実現するための唯一の手段となる。
神奈川県立横浜清陵総合高等学校
【学校紹介】
住 所:神奈川県横浜市南区清水ケ丘41
創 立:2004年
甲子園:なし
2004年に清水ヶ丘高校と大岡高校の普通科2校が再編統合され、総合学科として開校した県立高校。
2017年に普通科に改編し「横浜清陵」となった。