王者・帝京戦で得たものは?
オフシーズンの敵は自分たち
聖パウロ学園が秋大会1次予選1回戦で、今夏の東東京大会覇者・帝京相手に接戦のゲームを演じた。
結果的に1対2で敗れたが、チームは来春に向けて大きな自信を得た。
■2015、16年 西東京2年連続8強
チームは再び、強くなろうとしている。2015、2016年の西東京大会で2年連続ベスト8となった聖パウロ学園。
その後は、トーナメントを駆け上がることができなかったが、復活の予感が漂い始めている。
今夏の西東京大会では1回戦で都立強豪・片倉を4対0で撃破、2回戦では杉並工に12対0で完勝。
3回戦では工学院に2対4で敗れたが、勝敗の差は紙一重だった。
3年生の選手たちは後輩たちに夢を託して夏を終えた。
新チームとして迎える秋大会予選1回戦の相手は、帝京。
聖パウロ学園は昨秋も予選で帝京と対戦し0対7で敗れている。
2年生を軸としたチームは、帝京に真っ向勝負を挑んだ。
■秋予選は帝京に僅差で敗北
帝京戦の先発は、右腕・眞野文太(2年=投手)。
1学年上の兄・寛太は、前チームの主将だった。
先輩たちの思いも背負ってマウンドに立った眞野は、初回に2失点したものの、その裏にチームが1点を返し1対2とすると、強気なピッチングで帝京打線を抑えていく。
要所では、帝京のエンドランやスクイズを外し、追加点を許さない。
緊迫漂うゲームは1対2のまま終盤へ。
聖パウロ学園は、ワンチャンスで逆転できる状況で大金星の可能性もあったが、「1点」が奪えずに僅差のまま敗れた。
エース眞野は「初回だけは受け身になってしまったが、そのあとはチームとしてしっかりと戦うことができた。負けてしまったけど、帝京相手にしっかりと戦えたことは自信になります。この敗戦を春・夏につなげていくためにも、自分たちで考えながらチームを強くしていきたい」と話す。
選手たちは、帝京戦後にミーティングを実施し、気持ちを一つにした。
■チームミッションは己を鍛えること
チームは、藤原丈慈主将、深沢龍士(2年=内野手)の野手のほか、エース眞野、女房役の草野圭介(2年=捕手)を軸に、深秋そして冬のトレーニングへ向かう。
チームが秋予選で敗れたため、約6カ月の長い冬を過ごすことになるが、士気はまったく下がっていない。
攻守の要・深沢は「帝京戦では自分たちの甘さが結果につながった。本当の強さを身に付けなければいけない」と課題を話す。
選手たちを牽引する藤原主将は「この長い時間を生かしてチームを強くする。1日1日を意味ある時間にして、自分たちで、自分たちの野球をつくっていかなければならない」と仲間を鼓舞する。
勝俣秀仁監督は「シードクラスに勝つためにはもう一段、レベルを上げなければいけない。オフシーズンの敵は自分たち。己に勝つことで、チームは強くなれる」と語る。
克己。選手たちは、これからの寒さに負けず、己を鍛え上げていく。
秋の屈辱を晴らすのは、春・夏の舞台だ。