【高崎北 野球部】「序列変動」 #高崎北

伊勢崎清明に勝利し秋ベスト8
公立校の粋なチャレンジ

2020年の秋季大会で高崎北がベスト8に進出した。近年、「シード校基準」を目標に地力をつけていたチームは、一つの壁を越えた。

[2021年1月号掲載]

■執念の1点 で強豪撃破

2020年秋、公立の序列に変動が起きた。

1回戦で市立前橋に8対2で勝利すると、2回戦では伊勢崎工に2対1で勝利。準々決勝進出をかけた3回戦では、公立実力校・伊勢崎清明との戦いとなった。伊勢崎清明は、2014年夏準優勝、2016年夏4強のほか各大会で安定した強さを誇る公立屈指のチーム。高崎北は、公立トップレベルの相手に真っ向勝負していった。当初は、打ち勝つゲームプランを想定したというが、ゲームは5回までスコアレスの投手戦。高崎北は先発・髙橋勇人(1年)からエース横尾凌大(2年)へつなぐ継投で失点を許さない。5回裏2死満塁のピンチでは、ライト清水亮晴(2年)が好捕でチームを救った。6回にチャンスを広げて、伊勢崎清明の最速139キロのエース清水智仁(2年)をマウンドに上げると執念で1点を奪った。

その試合、高崎北が放ったヒットは2本だったが、最後まで守備が耐え抜いて1対0で勝利。目標だったベスト8入りを果たした。準々決勝では館林に敗れたが、次の景色が見えたのは確かだった。

 

■「本当の野球」を追求

チームを指導するのは、2018年4月に高崎北へ着任した青木達也監督。桐生工部長を経ての初指揮となった。若き指揮官を、高崎高時代に選抜出場を経験した経歴を持つ關根秀仁部長が支えている。

高崎北は、強豪ひしめく高崎地区で苦戦を強いられていた。過去10年間の最高成績は4回戦。1・2回戦で敗れることも多かった。青木監督はそれまでの伝統を引き継ぎながら意識改革を実行。学校生活でも高校球児にふさわしい行動を求めた一方で、選手たち自らが「考える野球」を実践。これまで「無意識」に取り組んでいた練習や動作を「有意識化」。選手の力を最大限に引き出すことで、一歩一歩、階段を上がって行った。2019年夏は1回戦で前橋工を撃破し、3回戦では桐生第一と4対6の激闘を演じた。

練習場のベンチには「ボールが動いていないとき、本当の野球がある」というメッセージが掲げられている。2時間の試合でインプレーはわずか10〜15分。それ以外の時間に何を考え、どう動くか。「1プレー、1打席の結果に至るまでの駆け引きが大切になる」(青木監督)。高崎北は「本当の野球」を追求する。

 

■初めてのシード校入り

練習場には活気があふれている。前チームの3年生が少なかったため、2年生たちは経験値を積んでいる。山田陸翔主将(2年=捕手)、中山太希(2年=内野手)、髙太陽(2年=外野手)のセンターラインは夏もレギュラー番号をもらった。投手陣は、横尾、髙橋の2枚が安定。相手を最少失点で抑えて、勝負所で畳み掛ける攻撃が勝利の方程式だ。

秋のベスト8進出によって、春季大会はシード校としてトーナメントへ挑む。「シード校基準」を目標にシード入りを狙って来たチームは、次なる山へ向かう。山田主将は「スター選手はいないが、チーム全員で戦うことができる。ベンチの声も自分たちの武器で、声で圧倒するチームになりたい。秋ベスト8で春はシードになるが、まだ力が足りない。チャレンジャーの気持ちで戦っていく」と気持ちを高める。

高崎北は、次なるステージの地図を広げようとしている。

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