【拓大一 野球部】「夜明け前」 #拓大一

16強の壁を打ち破れ
スローガンは「一戦必勝」

1994年に選抜甲子園出場の実績を持つ拓大一。近年は2013、2018年夏にベスト16へ進出するなど復活の狼煙を上げている。16強の壁を打ち破った先に次なる景色が見えてくる。

(2021年2月号掲載)

■個性を生かしたスタイル  

ブレイク間近なチームだ。2015年に青年指揮官・松井貴寛監督が就任しチーム改革に着手、2017年には校庭に人工芝が整備されるなど環境も整った。

2018年夏の西東京大会では5回戦へ進出し、選手の個性を生かしたスタイルが脚光を浴びた。指導体制、環境が整ってきたチームには、有望なプレーヤーが集まり始め、チームの土台は着々と仕上がってきている。あとは結果を待つだけだ。

松井監督は「チームの力はついてきているので、焦らずに、チャンスを待ちたいと思います」とその瞬間を待つ。

■3年生は無念の初戦敗退  

前チームは、エースで主将の高橋鼓大朗を軸に、楽しみな選手が揃っていた。2019年秋は一次予選1回戦で小松川に7対1で勝利し、予選決勝の関東一戦へ臨んだ。真っ向勝負を挑んだチームは、5回までに5点を奪われたが、6回以降は高橋の好投で失点を許さずに0対5。強豪相手に敗れたものの、春、夏に向けて確かな手応えをつかんでいた。しかしコロナ禍によって春大会が中止となり、準備不足の状況で夏大会へ。本格的に練習が再開したのは本番直前。

3年生たちはベストを尽くしたものの1回戦で日野台に敗れた。

■昨秋の敗戦を糧に  

新チームは、小林夕馬主将(2年=内野手)を中心に始動した。

西田凜太郎(2年=投手)は2019年秋の関東一戦でもマウンドに上がるなど経験を積んでいる。打撃では1番打者の川下堅太朗(2年=内野手)、荒井航史郎(1年=外野手)らがイキの良いプレーを見せてチームを牽引している。昨年の秋季大会は、1次予選で実力校・実践学園と対戦した。序盤は互いに得点を奪い合う展開。3回を終えて3対4となり、中盤勝負となったが、「1点」が奪えずに、最終的に3対5で敗れた。

キーマンの川下は「(途中から登板した)相手のエースを捕えることができずに打撃で援護できなかった」と話す。

■くじ運を嘆くな  

今年のチームのスローガンは「一戦必勝」。これまでのチームの戦いを振り返り、1試合、1プレー、1球に集中することで勝利を目指す。

小林主将は「力はあるのに勝てないのは何かが足りないから。自分たちの代で、結果を残して、次のステージへ向かいたい」と、目の前の試合に集中する。ここ数年、チームは予選から強豪と対戦するなど「くじ運」が結果に影響している面も否めないが、監督、選手たちは結果を受け止めて、レベルアップに励む。

松井監督は「くじ運を嘆くのではなく、どんな相手でも勝ち切る力をつけなければいけない」と前を向く。結果をつかむまで、あと一歩。夜明けは近づいている。

 

 

 

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