岩倉マネージャー/上村なな
チーム支える2代目マネージャー
最高の選手と共に目指す甲子園
「空席」だった女子マネに志願
中学校まで、軟式野球・葛飾リトルジャイアンツでプレーしていた。中学2年生からケガなどの影響によって、サポート役に回り、ベンチでスコアをつけた。選手以外でもチームの役に立てるんだ、と知った。中学卒業後、チームメートは高校野球の世界へ。自分も高校野球で甲子園を目指したいと思い、名門・岩倉を選んだ。そして女子マネージャーを志願した。当時、チームには女子マネージャーは不在だった。2014年の共学化に伴い、初代女子マネージャーが誕生したが、それ以降はずっと空席。上村は、2代目マネージャーとなった。マネージャーの先輩がいなかったため、仕事は自分でつくり出していった。グラウンド周囲の掃除、片付けに始まり、選手のサポート。マネージャー業は、想像以上に大変だった。コロナ禍前は、帰宅時間が遅くなることもあった。でも、野球に関われることが楽しくて仕方がなかった。
選手鼓舞する「陰のキャプテン」
最終学年の新チーム始動後は、選手たちに近い立場でサポートができるようになった。野球経験があるため、選手たちからアドバイスを求められることも増えた。技術的な部分は監督、コーチに任せて、自分はモチベーターに徹した。「気持ちを切り替えていこう!」「打席でもっと自信を持って!」。今年の3年生は、力のある選手が多いが、みんな優しいタイプ。厳しいことが言える選手が少ないようにみえた。チームが勝つためには何をすべきか。嫌われ役も買って出た。「もっと頑張ろうよ」。いつしか「陰のキャプテン」と言われるようになった。
自分にとっても選手にとっても最後の夏。悔いは残したくない。「みんなから嫌がられてもいいから、最後に笑えるようにしたいんです。甲子園は、私にとっても小さい頃からの夢。甲子園に行きたいではなく、岩倉は甲子園に行かなくてはいけないと思っています。ベンチに入れない選手もいますが、岩倉はスタンドを含めてひとつのチームです。最高の仲間たちと、甲子園に行きたいと思っています」。