夏に向けて戦力は整ってきた。投手陣は、左腕・松田が最速141キロをマークするなどエースの風格が漂ってきた。夏大会前の練習試合では、全国強豪を力でねじ伏せるなど圧巻の投球を披露、夏に照準を合わせる。また投打の「二刀流」清野佑馬(3年=投手・内野手)の存在も心強い。打線は、中島主将、清野、田倉宏之助(3年=外野手)のクリーンアップを軸に、出口健(3年=外野手)、谷口慧悟(3年=外野手)らどこからでも長打が出る選手が揃った。秋・春に屈辱を味わったチームは、最後の夏に狙いを定めてラストスパートに入る。萩生田監督は「去年夏の準優勝によって、甲子園が目の前にあると思っているとしたらそれは大きな間違い。甲子園は目の前じゃない。いきなり頂上(決勝戦)ではないので、ノーシードから一歩一歩登っていく必要がある」と、頂点へのルートを確認する。甲子園という“山”は一人で登ることはできない。部員たちが「自己犠牲心」「忠誠心」を体現した先にだけ、甲子園がある。 2019年7月号掲載