関東大会優勝で堂々の選抜出場
2年連続5度目の大舞台
第93回選抜高校野球大会の選考委員会が1月29日に開催され、健大高崎が出場校に選出された。2年連続5度目出場となるチームは、悲願の全国制覇を目指す。選抜大会は3月19日に開幕する。
■コロナ禍での選抜に感謝
1月29日午後3時45分すぎ。健大高崎校長室の電話が鳴った。加藤陽彦校長は神妙な面持ちで受話器を上げると、「ありがたくお受けいたします」と答えた。校長室はコロナ禍の密を避けるため、代表社が撮影。吉報を受けた加藤校長は室内練習場へ出向くと、選手たちに「選抜出場決定」を伝えた。選手たちは、背筋を伸ばして吉報を受け止めた。
加藤校長は「コロナ禍の状況で大会を開催していただけるということに対して感謝の気持ちを持って準備をしてほしい。そして全国優勝を目標にしっかり頑張ってもらいたい。健大高崎の新しい伝統を築いてほしいと思う」と、選手にエールを送った。
■スタメン計230本塁打の打線
昨秋の秋季関東大会で2年連続の優勝を果たした。
関東強豪を撃破しての連続優勝は、健大高崎の存在とその強さを高らかに誇示した。関東大会優勝によって今春の選抜出場は当確となった。一昨年は、各地区優勝校が参加できる明治神宮大会で準優勝。今季は明治神宮大会制覇も狙っていたが、コロナ禍で同大会は中止。選手たちは、選抜での全国制覇に照準を定めてトレーニングに励んできた。コロナ禍によって休日の全体練習は、午前9時から午後1時まで。時間が限られたことによって練習の質は高まった。そして空いた時間は各自が自主トレに充てた。
小澤周平主将(2年=内野手)が4番に座るチームは、先発9人合計230本塁打を誇る超強力打線。破壊力抜群のバッティングを武器に初の全国制覇を狙う。
■最高は2012年春のベスト4
2年連続の選抜出場だが、昨春はコロナウイルス感染拡大によって選抜大会が中止。昨夏に代替試合となる甲子園交流戦に出場した。選手たちは、去年の先輩たちの思いも背負って甲子園へ向かう。
これまで春・夏通算7度(昨春選抜は交流試合)、甲子園で戦った健大高崎の最高成績は、長坂拳弥(阪神)を擁した2012年春のベスト4。過去3度の選抜はいずれもベスト8以上の戦績を残す。青柳博文監督は「群馬県代表、そして関東代表として日本一を目指したい」と、創部以来の目標である全国制覇を目指す。吉報を待つチームには「日本一」と書かれた健大高崎カラーのダルマが届けられていた。左目は、選手全員が少しずつ筆を入れたという。小澤主将は「日本一になって、みんなで右目を入れたい」と全国制覇を誓った。健大高崎が、いざ出陣する。
先輩たちの分まで戦う 小澤周平主将(2年=二塁手)
「甲子園は1年生のときから目指していた場所。その舞台に立つことができるので、どうすれば勝てるか、どうすれば優勝できるかを考えていきたい。今春卒業する3年生たちは昨春の選抜が中止になってしまったので、先輩たちのためにも日本一になりたい」
健大高崎・青柳博文監督
打線を武器に日本一目指す
「これまで鍛え上げてきた打撃が、甲子園の大舞台で披露できるかどうか。甲子園では投手のレベルが上がるが、打ち負けない練習をしてきた自負がある。打線を武器に日本一を達成したい。チームは競争が激しく、全員が危機感を持つことでレベルアップしてきた。選抜大会では、昨秋からさらに成長した姿をみせたい」
【監督プロフィール】1972年群馬県生まれ。前橋商−東北福祉大。大学卒業後、一般企業に就職し軟式野球でプレー。健大高崎共学化に伴い、2002年に野球部監督就任。創部10年目の2011年夏、甲子園初出場を果たすと、春夏計7度の甲子園出場(2020年春は代替交流試合)。チームスローガンは「不如人和」(ふにょじんわ)。戦術スローガンは「機動破壊」。