【文星芸大附】「価値ある準優勝」

春夏甲子園12度出場の名門伝統校
決勝戦で惜敗も夏へ確かな手応え

 文星芸大附が春季栃木県高校野球大会で準優勝を果たした。決勝戦では作新学院に延長戦惜敗となったが、夏へ確かな手応えを手にした。

■強豪を次々と撃破して決勝へ

 甲子園は確実に近づいている。OBの高根澤力監督が就任した2018年秋以降、大会での準優勝が3度。着実に成績を残していると言えるが、春夏通算12度の甲子園出場の名門にとっては決して満足できる戦績ではない。チームが目指すのは甲子園のみ。春大会は、甲子園にはつながらないが、一戦でも多くを戦い、勝ち上がることがチームの糧となる。文星芸大附は頂点を目指してトーナメントへ臨んだ。シードとして3回戦からの登場となったチームは3回戦で白鴎大足利、4回戦で宇都宮工、準々決勝で佐野日大、準決勝で青藍泰斗を撃破し決勝・作新学院戦へ駒を進めた。

■延長タイブレークで惜敗  

相手の状況は関係ない。決勝で勝って優勝旗をつかむのみ。駆け引きなしの真っ向勝負でゲームに向かった。3回に2点を先制されたが、4回に梅山浩輝のタイムリー三塁打などで2点を奪い同点へ。2対3で迎えた9回裏に曽我雄斗の三塁打から、小林優太のタイムリーで土壇場で同点に追いつく。白熱の攻防は3対3のまま延長タイブレークへ突入。一進一退の展開となったが、11回に2失点して3対5の結果で終えた。

■16年ぶりに甲子園へ手応え  

決勝戦では延長タイブレークの末に敗れたものの、左腕・澁谷、本格派右腕・工藤逞と堀江正太郎を擁する投手陣は県随一の投手層。タイプの違う3投手のポテンシャルは高く、夏へ向けてさらに進化する可能性を秘めている。「だれが背番号1とかではなく、3人のピッチャーそれぞれがエースだと思っている」(高根澤力監督)。2007年夏を最後に甲子園に届いていないチームだが、今夏は16年ぶりに甲子園への扉が開かれるかもしれない。春大会で収穫と課題を手にした文星芸大附は、夏に向けてエネルギーを蓄えていく。春決勝の悔しさを糧にするチームには、復活の予感が漂っている。

 

 

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