決勝で屈して王座奪還ならず
王者・作新、2年連続栃木大会で涙
作新学院が、2年連続栃木大会で涙をのんだ。今夏も優勝候補の大本命だったが、決勝で文星芸大附に屈して王座奪還を果たすことができなかった。
■秋・春連覇、夏の優勝候補筆頭
作新学院は2012〜2021年に、前人未到の栃木大会10連覇を達成。「王者・作新」の地位を揺るぎないものにしてきた。だが、昨夏の準決勝で国学院栃木と対戦。延長激闘となった戦いで10回にサヨナラ負け、11連覇を成し遂げることができずに進撃が止まった。今夏の使命は「王座奪還」。昨夏の悔しさを糧にしたチームは、昨秋の県大会を制して関東ベスト8で選抜大会へ出場し、ベスト8の成果を収めた。今春の県大会も制して秋・春連覇、優勝候補筆頭として夏大会へ臨んだ。準々決勝で白鷗大足利に勝利して準決勝・青藍泰斗戦へ。青藍泰斗のエース長嶋樹哉をとらえ、初回から猛攻を見せた。二者連続本塁打などで一気に5点先行。2回にも5点加えて10点リードした。その後、2点差まで詰め寄られるなどリリーフ陣が安定を欠いたが13対9で乱戦をものにした。
■最終回に執念の攻撃みせたが一歩及ばず
決勝の相手は文星芸大附だった。昨秋の準々決勝、今春には決勝で勝利し、今季は2連勝となっていた。作新学院は、小川哲平が先発し福冨竜世へ継投したが、序盤から失点が続き0対4となる。作新学院は、5回まで2度の満塁機をものにできず無得点。6回にようやく1点返したが、8回に追加点を奪われて1対5。だが、そこから強さをみせた。9回に5長短打を集中させる攻撃で一挙4点を奪い、土壇場で試合を振り出しに戻した。 だが、9回裏にサヨナラ本塁打を打ち込まれて無念のサヨナラ負け。2年ぶりの王座奪還に、一歩及ばなかった。9回に同点に追いついた執念の攻撃は見事だったが、勝ち切ることができなかった。選手たちは、ボールを見送りながらグラウンドに崩れ落ちた。2年連続栃木大会で涙をのんだ作新学院は、王座奪還へ再び立ち上がる。