春準優勝で夏の優勝候補に挙がるも
準決勝で聖隷クリストファーに惜敗
第106回高校野球選手権静岡大会で、Aシードの静岡はベスト4で大会を去った。(取材・栗山司)
■最終回に力尽きたエース
涙のロッカールーム。まさかの結末を受け入れるのに時間がかかった。
準決勝はエースの谷脇健心(3年)が「夏の大会で一番調子が良かった」と8回まで1失点の好投。1点リードで9回を迎え、勝利は目の前だった。しかし、聖隷クリストファーの集中打に屈して逆転負け。2本のタイムリーを浴びた谷脇は「静高のエースとして甲子園という目標があって、そこが達成できなかったのは悔しい」と肩を落とした。
現チームはどん底からのスタートだった。昨年の夏は初戦敗退。秋も公式戦で勝ち星を挙げることができなかった。それでも松下球真主将(3年=外野手)を中心に「粘り強いチームになろう」と全員で苦しい冬を乗り越え、春は県準優勝まで巻き返した。
■最後まで良いチーム
Aシードとして優勝候補に挙がった夏。4回戦では難敵の飛龍を退けると、準々決勝の静岡商戦では中野桜佑(3年=内野手&投手)が無四球完封を飾った。「絶対に勝ち切って甲子園に行きたかったので悔いは残っているが、これまで支えてきてくれたみんなには感謝したい」と松下主将。池田新之介監督は「最後まで良いチームだった」と全力で戦ったナインをねぎらった。