【三島南 野球部】「62年ぶり県4強」 #三島南

今年創部100年目に県4強
21世紀枠県候補選出

 今年創部100年目を迎えている伝統校・三島南が、この秋に進撃をみせた。62年ぶりの県4強進出は、地域に大きな勇気を与えている。(取材・栗山司)

[2021年1月号掲載]

■秋の大会で大金星  

今年創部100年目を迎える三島南。そのメモリアルイヤーで62年ぶりとなる県4強進出を果たした。  

東部3位で臨んだ秋の県大会。準々決勝で名門・静岡と対戦した。3回に1点を先制すると、同点で迎えた7回に斎藤崇晃(2年=外野手)が勝ち越しタイムリーを放つ。投げてはサイドスローの植松麟之介(1年)が1失点で完投。3対1で勝利し、三島南ナインに歓喜の輪が広がった。「10回戦ったら9回は負ける相手。まさにプラン通りだった」と話す稲木恵介監督。強打の静岡打線を警戒し、外野陣は深めの守備位置をとった。植松は打たせて取る投球を展開し、結果的に16個のフライアウトを奪った。  

三島南は1921年に創部した伝統校だ。2013年秋に稲木監督が就任し、県大会の上位に顔を出す機会が増えたが、どうしても静岡の壁が破れなかった。過去4回の対戦は全敗。今夏の代替大会4回戦でも1対4で敗れていた。

「ウチは100パーセント理論でゲームに向かっている。120パーセントの力を出そうとするのではなく、いつも100パーセントの力を出し切る。秋の静高さんとの試合は、持っている力を100パーセント出し切ったことで、いい試合ができた」。  

準決勝で常葉大菊川、3位決定戦で加藤学園に敗れて東海大会出場はならなかったものの、伊藤侍玄主将(2年=投手)は「自分たちの野球をやれば通用することが実感できました」と自信を深めた。 

■斬新的な練習で実力を上げる

練習は固定観念に捉われることなく、斬新的なアイディアで力を伸ばしている。

月曜日を練習休みにしているチームが多い中、三島南は火曜日が休み。「月曜日をトレーニング日にすることで、ピッチャーの肩を2日間休めることができる」という稲木監督の考えによるものだ。また、全部員が一斉にグラウンドに集まるのは水曜日のみ。残りの平日は班に分かれて練習を行っている。例えば、金曜日はバッテリー組と野手の半分がグラウンドを使用。残りの野手はトレーニング日となる。  

バッティング練習は通常の硬式ボールではなく、準硬式ボールを使用する。軟式ボールと硬式ボールの中間的な存在と言われる準硬式ボール。「硬式よりも打球が飛びやすいのでバットを振る感覚を養うことができる」(稲木監督)。硬式ボールに比べて消耗度が少ないことも使用している理由だという。

■野球人口拡大に向けて  

2014年12月から稲木監督の発案で野球交流会を実施している。コンセプトは高校球児を増やすこと。三島南の選手が幼稚園、保育園に出向き、「野球の面白さ」を伝えている。

さらに近年は、小学生の野球未体験の子ども向けに、月1回のペースで野球体験会を実施。口コミで噂が広がり、多いときには80人ほどが参加する。稲木監督は「まずは野球の面白さ、楽しさを実感してもらえたら」と話す。  

11月上旬には嬉しい報せも届いた。秋季大会での戦いぶりや、野球の普及活動への貢献が評価され、来春のセンバツ大会の21世紀枠県候補に決まった。夢の大舞台を目指し、三島南スタイルで突き進む。

 

 

 

おすすめの記事