有馬信夫監督体制4年目いざ勝負
都立が勝つための方法伝授
2006年に東東京大会ベスト4入りを果たすなど力を誇示してきた都立の雄・足立新田。
2021年度は有馬信夫監督体制4年目、チームは再び目覚めようとしている。
(2021年2月号掲載)
■復活をかけた2021年
足立新田を率いるのは、1999年に城東を指揮して甲子園の舞台に立った名将・有馬信夫監督だ。2018年4月に着任し、3シーズンが経過した。昨年夏はコロナ禍で甲子園が中止になった中、準備不足で臨んだ東東京大会は2回戦で惜敗となり不完全燃焼のシーズンになった。今年の選手たちは、有馬監督のもとに集まってきた猛者たち。
足立新田は復活をかけて2021年シーズンへ向かう。百戦練磨の指揮官は「今年の選手は、昨春のコロナによって3カ月間グラウンドで練習ができなかったので実戦不足。それをどこで補うかと言えば、冬しかない」と、指導に情熱を傾ける。
■1次予選決勝はサヨナラ負け
昨年の秋季大会1次予選決勝では、最終回に白星が逃げていった。
都大会進出をかけて私学強豪・桜美林と対戦した足立新田は、6回まで1対4と苦戦を強いられたが終盤に粘りを見せて9回表で逆転に成功。5対4と1点リードで9回裏を迎えた。最終回にピンチを迎えると同点にされて、カウント3ボール2ストライクから奇策スクイズを決められて無念のサヨナラ負けを喫した。
有馬監督は「うちのチームだったら3ー2からスクイズのサインは出せない。そういう訓練をしてきた桜美林が一枚上手だった。普段の練習から、緊張感を持って臨まなければならない」と振り返った。磯飛真人(2年=内野手)は「最終回にチームとしての日頃の甘さが出てしまった」と悔やんだ。
■70点ではなく完璧を目指せ
この冬に徹底したのは守備練習だ。
ノックの名手でもある指揮官は、内・外野の際どい場所、ベース際などにピンポイントで打ち込み、勝負の厳しさを植えつけた。有馬監督が城東時代に甲子園出場を決めたとき、チームは準々決勝から決勝までの3試合でノーエラーだったという。
髙橋惟穏主将(2年=内野手)は「ノーエラーで耐えて、チャンスで確実に点を奪う強さが必要。毎日の練習から集中していかなければいけない」と打球に食らいついていく。
有馬監督は「都立が勝つには、ノーエラー。ムダな失点をしてはいけない。60点とか70点とか、だいたいじゃない。完璧を目指さなくてはいけない。完璧を目指すには勤勉さが必要。24時間、勤勉であれ」と説く。
珠玉の言葉の数々が、チームを高みへ導いていく。