【橘 野球部】「公立最強へ」 #橘

2015年春にベスト4進出
人間的成長の先に勝利あり

2015年春にベスト4に進出した実績を持つ川崎市立橘。活気あふれる校内でトレーニングを積む選手たちは、明るく、ポジティブに勝利を目指す。

■活気あふれるグラウンド

授業が終わると、運動部の生徒たちがその時間を待ちわびたかのようにグラウンドへ飛び出してくる。笑顔のあいさつが飛び交う校内は活気にあふれている。文武両道の伝統校・橘は、部活動が盛んで男女バレーボール、サッカー部、陸上部などが強豪。特にバレーボールは全国屈指で、2012年には女子バレーボール部が全国制覇を成し遂げた。サッカー日本代表の三笘薫は、同校サッカー部には在籍していなかったが、この学校で学び、川崎フロンターレU18の練習に参加していた。学校行事も盛り上がり、その雰囲気が部活動の強さにもつながっているようだ。野球部はこんな環境で練習に励んでいる。

■伝説の横浜スタジアム

選手たちを指導するのは、福田茂監督と田中健次部長。福田監督は法政二出身の元捕手で、市立川崎を指導したのちの2010年に橘へ。バッテリー目線で野球の本質を伝えている。校庭と多摩川河川敷でトレーニングを積むチームは、2015年春に進撃をみせてベスト4へ進出している。準々決勝は横浜スタジアムのナイトゲーム。多くの生徒が応援に駆けつけた中で、秋優勝の平塚学園に12対5で勝利した。

福田監督は「学校が一体となった勝利で、あの雰囲気は今でもはっきりと覚えています。もう一度、あの場所へ行きたい。明るく、元気に野球に打ち込むことが指導の原点です」と、熱を込める。

■オンライン読書会で団結

最近3年間も公立としてはトップレベルの戦績を残している。夏の神奈川大会は2017〜2020年まで4年連続で4回戦へ進出(2018年は北神奈川大会)。今夏は、3回戦で慶応と対戦し8回まで2対1とリードし最終回を迎えたが、9回裏に2失点して無念のサヨナラ負けとなった。新チームは、佐々木大器主将(2年=捕手)、大型野手・津川太希(2年=内野手)を軸に始動。民谷優介(2年=内野手)、杉山敬大(2年=内野手)の「1・2番コンビがチャンスメークし、佐々木、津川のクリーンアップの打撃で得点を奪っていく。迎えた秋季大会は3回戦で向上と対戦し、序盤で1対7とリードを許しながらも6回に一挙6点を奪い7対7に持ち込んだ。結果的には7対12で屈したが、持てる力を発揮した。

チームは秋季大会後のコロナ禍での活動停止期間に、オンライン読書会を実施した。プロ野球レジェンド野村克也著の「野村ノート」を全員で読んで意見交換、野球観を共有して春・夏へ照準を定める。佐々木主将は「チームの力自体はまだ足りないのですが、全員で目標に向かって努力できるチームです。秋大会の課題をしっかりと受け止めて、春・夏に向けて、自分たちの長所を伸ばしていきたいと思います」と話す。橘の選手たちは、公立最強、そして悲願の甲子園を目指す。

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