【関東一】 「涙の勝利」

第76回秋季関東地区高等学校野球大会レポート
8年ぶり5回目の秋優勝
2016年春以来の選抜出場確実

関東一が秋季都大会決勝で創価に4対1で勝利して8年ぶり5回目の優勝を果たした。秋を制した関東一は、来春の選抜出場が確実となった。

■主軸・熊谷、涙のタイムリー

決勝・創価戦。0対1で迎えた6回に1死2・3塁のチャンスをつくると5番・熊谷俊乃介がピッチャーの足元を抜くセンター前タイムリー。同点のランナーが還って、中堅手がファンブルした隙をみて二塁走者もホームを踏んだ(2点目の記録は中堅手エラー)。逆転につながる殊勲の打撃をみせた熊谷は一塁ベース上で涙を拭った。「やっとチームに貢献できた。1塁ベースのところで自然に涙が出てきてしまった。こんな経験は今までで初めて。自分でもどんな気持ちだったのかあまり覚えていない」(熊谷)。涙の理由は、今夏大会にあった。大会中に先輩捕手の衛藤冴仁が負傷離脱し5回戦・日大豊山戦でマスクをかぶった。しかし、チームは1対3で惜敗。熊谷含め主力として戦った下級生メンバーは「先輩たちの夏を終わらせてしまい申し訳ない」と泣き崩れた。6回のタイムリーは、先輩たちへの恩返しだった。逆転に成功したチームは8回にも2点を追加し4対1で勝ち切った。

■強豪に競り勝って秋頂点へ

今秋のチームは、プロ注目の大型スラッガー高橋徹平を軸に始動した。投手の軸である畠中鉄心、坂井遼、坂本慎太郎らを含めて主力選手は、夏の前チームからプレー。夏5回戦敗戦の悔しさを糧に再起を誓った。2019年夏以来、5年ぶりの甲子園出場を狙うチームは、1回戦で駒大、2回戦で日体大荏原、3回戦で城西大城西を撃破。準々決勝では東海大菅生に0対3とリードを許しながらも7回に一挙7点を奪って9対3で逆転勝利。難関を突破して勢いに乗った関東一は準決勝で早稲田実に5対1で完勝。決勝でも創価を破って秋の頂点に立った。米澤貴光監督は「新チームの選手たちは経験値が強み。それをさせてくれたのは3年生。我慢が多い大会だったが選手たちが粘り強く戦ってくれた」と称えた。都大会を制した関東一は明治神宮大会に出場。2016年春以来の選抜出場が確実となった。

 

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