春夏通算26度甲子園出場の名門。
2011年以来の甲子園へ、戦力充実
春夏通算26度の甲子園出場、そして計3度の全国制覇を誇る名門・帝京。
夏の主力が多く残ったチームは、2011年夏以来の甲子園出場を狙う。
■ 夏の主力が残ったタレント集団
復活の瞬間は近づいている。
今夏の東東京大会は準々決勝で日大豊山に0対1の僅差で敗れた。
ゲームは互いに一歩も譲らずにスコアレスのまま進んだが、7回に守備の乱れから1失点。
帝京打線は、相手投手を打ち崩すことができず0対1のままゲームを終えた。
8年ぶりの甲子園出場の夢を叶えることはできなかったが、復活を期すチームには大きな財産が残った。
夏のメンバー20人中1・2年生が12人。
スタメンの大半も1・2年生だった。
主力がそのままチームに残っている帝京は、大きなアドバンテージを胸に新チーム始動を迎えた。
■ チームを束ねる百戦錬磨の名将
加田拓哉新主将(2年=外野手)、小松涼馬(2年=内野手)、新垣熙博(2年=捕手)、武藤闘夢(2年=内野手)の野手陣に加えて、武者倫太郎(2年=右投)と田代涼太(2年=左投)のダブルエースが残っているのは頼もしい限りだ。
しかしながら、3度の全国制覇を誇る百戦練磨の前田三夫監督は「1・2年生が多く残ったとはいえチームは自然に強くなるわけではない。
夏に勝てなかったのは力が足りなかったから。
甲子園に行くためにはこれまで以上の努力をしなければいけない」と引き締める。
帝京は、全国制覇の翌年夏に、1・2年生を多く残しながらも不覚を喫した過去を持つ。
指揮官の言葉は重い。
■ 甲子園へ一戦必勝
選手たちは、覚悟を持って練習に励む。
投打の要で精神的支柱の加田主将は「帝京で甲子園に行くことしか考えていない。
力のある選手が多いが、先を見ずに目の前の一戦一戦で相手を倒すことだけを考えていく」と一戦必勝で臨む。
チームは、武者、田代のダブルエースが夏以降、さらなる進化を遂げている。
女房役の新垣も存在感を高め、バッテリーを中心にチームの士気は上がる。
セカンドの名手・小松は「3年生が引退して、次は僕らがチームを引っ張っていかなければいけない。
僕らの代で甲子園出場を決めて帝京を復活させたい」と気持ちを込める。
■ 大きなポテンシャル秘めるチーム
秋予選は1次予選で聖パウロを7対0で下して都大会出場を決めた。
戦力充実のチームは、選抜出場を狙って都大会へ臨む。
夏は打撃力に課題を残したが、今秋は投打のバランスが整い、チームのスケールは大きい。
選手たちがそれぞれの役割をこなして、投打の歯車が噛み合えば上の舞台がみえてくる。
前田監督は「今年のチームは大きなポテンシャルを秘めているのは間違いない。
ただ、チームとして甲子園からしばらく遠ざかってしまっているので甲子園へ行くための戦いを経験していない。
初心の気持ちで臨み、もう一度、強い帝京を作っていく。
選手たちを甲子園へ連れていくことが私の使命です」と復活を期す。
名門は、静かに復活の瞬間を待つ。
帝京高等学校
【学校紹介】
住 所:東京都板橋区稲荷台27-1
創 立:1943年
甲子園:26回(春14回・夏12回)
野球部は1989年、1995年の選手権大会、1992年の選抜で全国制覇。
春夏計26回の甲子園出場。
野球部OBに中村晃(ソフトバンク)、山崎康晃(横浜)、杉谷拳士(日本ハム)、原口文仁(阪神)ら。