「2020年夏 大会レポート 大森学園」男泣き #大森学園

準々決勝で二松学舎大附を撃破

史上最強チームの最高の夏

史上最強チームが、最高の結果を残した。

選手たちは、今夏で勇退する和泉隆監督に「ベスト4」という勲章を送った。

2020年9月号掲載

■史上最強チーム

1990年にコーチとして着任し1996年から指揮を執る和泉隆監督は、今夏での勇退が決まっていた。

「監督を東京で一番の男にしたい」。

3年生たちの思いは、一つだった。

昨夏は、ベスト8入りをかけたゲームで、修徳相手に9回2死までリードしながら、逆転負けを喫した。

あの悔しさを知る今夏のメンバーは、エース工藤翔午ら昨夏の主力メンバー7人がそのまま残り、「大森学園史上最強チーム」と言われた。

そして今年のチームは、前評判どおりの強さをみせた。

大島海洋国際、錦城学園、江戸川、国学院を下して勢いをつけると、準々決勝では優勝候補・二松学舎大附と対戦した。

■二松学舎を撃破し4強へ

二松学舎大附戦は激闘だった。

身長2メートルジャストの投打の二刀流・秋広優人擁する相手に対して、大森学園は真っ向勝負で立ち向かった。

3回、豊田征也の先制タイムリー二塁打などで2点を先取、4回には二松学舎大附の先発・秋広をマウンドから引きずり下ろして3対0とリードした。

7回には、森瑞貴の右越3塁打などでさらに3点を追加し、6対1とリードを広げた。

しかし、その裏、エース工藤が相手打線につかまり、4点を失う。

しかし、キャッチャーからマウンドに登ったマルチプレーヤー松本哲郎が、後続を断ってゲームは佳境へ向かう。

8、9回、松本がランナーを背負いながらも執念のピッチング。

9回もスコアリングポジションに走者を置いたが、最後の打者をキャッチャーフライに打ち取り、ゲームセット。選手たちは、男泣きした。

■準決勝は、満身創痍の戦い

準決勝・関東一戦は、満身創痍の戦いだった。

エース工藤は2回まで無失点で切り抜けたものの、3回2死から連打を浴びると、失点を重ねてしまう。

6回からは松本にスイッチするが、関東一の隙のない野球に押されて点差が開いてしまう。

しかし7回に意地をみせた。豊田の二塁打から、犠飛で1点を返してみせた。

大森学園は1対7で敗れたが、最後まで一丸となって戦った。

ラストゲームとなった和泉監督は「(選手たちに)準決勝まで連れてきてもらって最高です。ここまで来るのに25年かかったが、最高、最強のチームだった」と4強進出をかみしめた。

和泉監督のもと駆け抜けた、史上最強チームの最高の夏が終わった。

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