【浜松南 野球部】「一歩ずつ」 #浜松南

6人の3年生が下級生をリード
地道に取り組む効率重視野球

少人数ながら、経験豊富な監督の指導のもと着実に力をつける浜松南。冬には守備力強化に取り組み、手応えを感じ始めている。昨秋コールド負けから始まったチームはこの夏、勝利を目指す。(取材・栗山司)

■苦しい環境を強みに

1963年に開校した浜松南。普通科と理数科を併設する進学校として名を馳せている。

野球部は1987年に創部し、かつては県ベスト8に進出した実績も持つ。現在チームの指揮をとるのは山本浩正監督。現役時代は掛川西の二塁手で甲子園出場。国際武道大でもレギュラーとして活躍した。  今年は3年生が6人と少なく、下級生中心のメンバー。そんな中、山本監督のもと、チームは確実にレベルアップしている。  取材日、グラウンドではサッカー部の練習試合が行われていた。野球部の選手の姿はどこにもなく、校舎沿いの道路でダッシュを繰り返していた。「今日はたまたまサッカー部の試合でグラウンドが全面使えないが、普段もあまり変わらない。その分、いかにして効率よく、工夫して取り組めるかが大事になってくる」と指揮官は口にする。

他部活動との兼ね合いで日々の使用可能なスペースは内野面程度。マウンドもない。また、学校内の完全下校が19時30分と定められ、活動時間も限られている。「だからこそ捨てるところは捨てて、大事な部分だけに特化できる」と山本監督は話す。選手もこの環境をプラスにとらえ、逆に強みにしようと考えている。中西諒真主将(3年=投手)の言葉だ。「練習の量よりも質を高めることを大事にしています。それが試合でのここ一番の集中力につながっていくんだと思っています」

■冬に守備力を高める

山本監督が最も力を注いでいるのは守備。下級生が多いチームということもあり、昨年は守備のミスで負ける試合が多かった。新チーム結成直後の秋の大会は2対12でコールド負け。まずは基本的な投げることや捕ることから始め、「取れるアウトを必ずアウトにしよう」と選手に語りかけた。

さらに冬の期間は週末に父母会の協力のもと近隣の球場を借りて練習。外野から内野への連携プレーはとにかく先の塁につなぐことを徹底し、外野の間を破られたとしても余分な進塁を許さない意識を植え付けた。

その成果が現れたのが今春の西部地区大会。磐田南に敗れたものの(2対6)、終盤まで互角の試合を演じた。山本監督は「秋はミスでズルズルと崩れていたところが、この春は守りで粘ることができている」と手ごたえを感じている。  今後も守備を強化することに変わりはないが、一方で夏に向けては攻撃力アップも求められる。グラウンドの角に、ティー打撃を行えるスペースを作り、そこでバットを振る。  この夏の目標は2年前に先輩たちが成し遂げた3回戦進出を超えること。「応援されるチーム」、「高い目標を持つ」、「強いチーム」。この3つの柱を心に刻み、逞しく成長を続ける。

 

 

 

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