元プロ野球指揮官率いるチーム
選手ファーストで目指すベスト16
鶴見大附は2021年春から元プロ野球指揮官が率いている。選手ファーストで野球に取り組むチームは、3年ぶりの県大会勝利へ突き進む。
■目標に向かって努力
2008年の男女共学化に伴い野球部が誕生した鶴見大附。チームは2009年に夏初陣となり、2010年には秋3回戦へ進出。2011年には夏初勝利を挙げた。新鋭だが、神奈川の強豪相手に決死の戦いをみせ、好ゲームを演じてきた。現在の部員数は2年生12人、1年生5人の17人。閑静な住宅街にある学校の校庭でトレーニングに励む。週2〜3回は大学グラウンドも使用可能で、恵まれた環境で技術向上を図っている。松下颯志主将(2年=投手・内野手)は「野球が好きな選手たちが集まっているチーム。一人ひとりの力は小さいが全員の力を合わせて目標に向かって努力している」と話す。森洸樹部長らコーチ陣が一人ひとりに寄り添いながら、強化を進めている。
■元楽天投手・加藤正志氏が指揮
地元横浜市鶴見区出身で、鶴見大OBの元プロ野球楽天投手・加藤正志氏が外部監督として指揮を執る。加藤監督は東京実業でアンダースロー投手となり、鶴見大のエースとしてマウンドに立つと、社会人・JR東日本東北でも活躍。2014年にドラフト6位で楽天に入団し、プロで2シーズンプレー。その後もNPB復帰を目指して社会人でプレー、その傍ら学生野球資格回復制度でアマチュア指導が認められ、鶴見大附の監督となった。加藤監督はアマ・プロでの豊富な経験を選手に伝えて、チーム全体の底上げを図っている。
児島優駿(2年=内野手)は「加藤監督は、選手第一に考えてくれてプレーしやすい。監督のためにも結果を残したい」と話す。
■チームバッティングで活路
近年の県大会勝利は2019年夏の2回戦・山手学院戦。以来、チームは勝利から遠ざかるが、敗れたゲームはいずれも接戦で勝利へ手が届く場所にある。昨年夏の神奈川大会では初戦で座間に2対4で敗戦。続く秋季県大会は2勝1敗で予選突破し県大会へ出場、1回戦で公立実力校・金沢に惜敗したがベストは尽くした。今季のチームは、昨夏を経験した選手が多く残り、経験値の高さが武器。主砲・柏木桜介(2年=外野手)は「これまでチャンスであと一本が出なくて悔しい思いをしてきた。春・夏はチームとして得点を奪ってベスト16以上を目指す」と話す。
勝利へのルートは、確実に見えている。