市内大会での金星が大きな自信に
モチベーションは毎月立てる3つの目標
秋季大会では悔しい敗戦を味わうも、市内大会で自信を取り戻した清水桜が丘。この冬は自分たちのスタイルに胸を張り、研鑽に励む。(取材・栗山司)
■静岡市内大会で金星
昨年10月の静岡市内大会。清水桜が丘は名門・静岡と対決し、7対6(9回サヨナラ)で勝利した。 初回に1点の先制を許すも、その裏に2点を奪って逆転。さらに2回に3点、3回にも1点を加え、5点のリードを奪った。その後、9回に同点とされるも、1番・大石椋平主将(2年=内野手)のタイムリーでサヨナラ勝ちを飾った。 毎回、ピンチの連続だった。それでも粘っての金星に近藤靖監督は「あの試合はチームが一つになった。一生懸命にやってくれた」と選手を称える。 秋の悔しい敗戦が糧となった。 初戦で、その後東海大会に出場する常葉大橘と対戦。0対6で完封負けを喫した。主将の大石は「自分たちが普段やっていることが全然できませんでした」と振り返り、敗戦後は全員が練習から意識を高めていった。「静岡市内大会の静高戦はまさか勝てるとは思っていませんでした。勝ったことはチームとしても個人としてもすごく自信になりました」(大石)。
■心のコントロール
近藤監督は、オフシーズンになると選手各々に毎月3つの目標を立てさせた。技術、体力、メンタル…、野球に関わることなら縛りはない。あくまで自分の中で決めるだけで指導者や他の選手に報告する必要はない。その意図を指揮官が説明する。「野球の試合では思い通りにならないことが多いです。その中でどう自分をコントロールしていくのかが大事。月ごとに3つのことを信じてやり込むことによって、心のコントロールができるようになればと思っています」。 例えば大石の場合、昨年の12月の目標をこう決めた。①体重を1.5キロアップする。②野菜が好きではないので、野菜を毎食とる。③体が堅いので、風呂を出た後に15分間ストレッチを行う。 これが選手たちのモチベーションにつながっている。「こうやって決めていることで、やる気がなかったり、落ち込んでいたりするときでも、『よし、やろう』っていう気持ちが出てきます」(大石)。 また、今年の冬からチーム全体でウエイトトレーニングを始めた。デッドリフトで体力強化をはかっていることで、打球の飛距離が上がっている。
■強豪相手に食らいつく
目指すは春の県大会出場、夏のベスト8進出。そこに近藤監督はもう一つ加える。「強豪相手に対して、いかに食らいついて戦えるか。俺たちはこういう野球だっていうものを見せてほしいです」。 庵原と清水商が統合し、清水桜が丘が開校して今年で11年目。心身ともにパワーアップしたナインは相手に怯むことなく、果敢に立ち向かう。