国学院久我山 「選抜吉報 いざ甲子園へ」

11年ぶり4度目の選抜出場決定
都大会決勝9回裏の劇的勝利で甲子園切符

国学院久我山、いざ選抜へ! 1月28日、第94回選抜高校野球大会の選考委員会が開かれ、昨秋都大会優勝校・国学院久我山の11年ぶり4度目の選抜出場が決定した。選抜大会は3月18日開幕。

■代表にふさわしいチームへ

1月28日午後3時20分すぎ、国学院久我山特設会場に設置された電話が鳴った。受話器を取った國清英明校長は「承知いたしました。ありがたくお受けさせていただきます」と応答し、表情をほころばせた。そして、取材陣に向かって「推薦のご報告をいただきました。全校生徒の励みになります」と報告した。國清校長は校庭グラウンドで待つ部員たちの元へ足を運び、吉報を伝えた。上田太陽主将は「コロナ禍の中で感染防止対策を徹底して、部員全員で選抜へ向かって準備していきます。応援よろしくお願いします」と感謝の言葉を送った。

尾崎直輝監督は「喜ぶのは、ここで終わり。選抜開幕まであと2カ月、スイッチを切り替えてどれだけ準備できるかが大切。代表にふさわしい行動を取っていこう」と選手に語りかけた。チームは、その瞬間から選抜モードに突入していった。

■一丸でつかんだ選抜切符

チーム一丸でつかんだ選抜切符だった。

昨年秋の都大会決勝戦は、絶体絶命だった。二松学舎大附に対して1対3とリードを許して9回裏1死ランナー無しとなった。しかし、選手たちはあきらめなかった。代打策からランナーを貯めてチャンスを演出すると、2死満塁のシーンで4番・成田陸がライトフェンス直撃の走者一掃の逆転タイムリー二塁打。3人のランナーが一挙に生還して、劇的なサヨナラ勝利を収めた。まさに執念の勝利。昨夏の西東京大会決勝で敗れた悔しさを糧に再起動したチームは、秋予選からの一戦一戦で成長を重ねていった。神宮球場に場所を移した準決勝・日大三戦は14対3の5回コールド勝利。決勝では土俵際に追い詰められながらも、底力を発揮。選抜切符を自分たちの力で手繰り寄せた。

■伝統の久我山野球を体現

11月末には、野球界のレジェンド・イチロー氏が国学院久我山を訪れ、2日間にわたり指導を行った。イチロー氏は、考えることの大切さを選手たちに伝えて、練習後には自身のバットを学校に残していった。チームは、毎日、そのバットをバックネット裏に置いてトレーニングに励んでいるという。

チームが目指すのは、全員野球。全員でバント、エンドランを駆使してチャンスメーク、好機を確実にモノにしていく。イチロー氏から学んだエッセンスを加えて、選抜へ向かう。「自分たちの野球を追求して、選抜で勝利を挙げたい」(上田主将)。選手たちは伝統の久我山野球を甲子園で体現していく。国学院久我山旋風は、春へと続いていく。

 

国学院久我山・尾崎直輝監督
全国の舞台で久我山野球

「秋季都大会ではベンチ、スタンドを含めた部員全員で戦い、優勝することができました。選手たちは目標に向かって自分たちで考えながら努力しています。2019年の夏に甲子園初勝利を挙げましたが、選抜ではまだ勝てていません。選抜初勝利を目指して、全国の舞台でも久我山野球をみせていきたいと思います」

上田太陽主将 (新3年=内野手)
全員が同じ目標へ 向かっている

「コロナ禍で分散練習になっていますが、同じ場所で練習できなくても部員全員が同じ目標に向かって、同じ道を進んでいます。選抜甲子園でも部員全員が気持ちを一つに戦って、勝利をつかみたいと思います」

国学院大学久我山高校
【住所】東京都杉並区久我山1-9-1 【創立】1942年  【甲子園】計7回(春4回、夏3回)今春含む 男女別学の中高一貫私立進学校。野球部の他にラグビー部、サッカー部、バスケットボール部が全国強豪。主な野球部OBに井口資仁(ロッテ監督)、松田進(現ロッテ)など。

 

 

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