【狛江】「感謝」

2021年夏、2021年秋にベスト8進出
選手の可能性を追求する都立新鋭

 2021年夏、2021年秋にベスト8へ進出した狛江。選手の可能性を伸ばすチームは、生徒主体のマネジメントでベスト8越えを目指していく。

■先輩たちが切り拓いた道  

選手の可能性を追求する都立新鋭は、2年前の2021年夏・秋にジャイアントキリングを成し遂げて、周囲を驚かせた。2021年夏には5回戦で八王子と対戦し3対2で逃げ切ってベスト8進出、準々決勝では世田谷学園に2対3で屈して、惜しくも東京ドーム開催の準決勝進出は逃したが堂々たる戦果を挙げた。さらに2021年秋には3回戦で明大中野八王子と対戦して6対5で粘り勝ちして2大会連続でベスト8進出を果たした。2大会を経験した杉本裕世(3年=内野手)は「先輩たちは私学相手でも自分たちの野球を貫いて勝ち切った。自分たちも、あの戦いをしなければいけない」と2年前を振り返る。選手たちは、先輩たちが切り拓いた道を走りながら未開の地へ進む。

■毎日の練習が「成長の場」  

狛江の土台をつくっているのは、日大鶴ヶ丘出身の指揮官・西村昌弘監督だ。2017年に狛江へ着任し、硬式としては自身初めての監督となった。時代の変化を感じ取った指揮官は、当初はトップダウンで厳しい練習を課していたというが、選手たちの貪欲な姿勢を目の当たりにして、生徒主体の野球部へとシフトチェンジ。選手たちは、指揮官からヒントをもらいながら練習に取り組み、日々のミーティングで反省・改善を繰り返していく。そうして2021年夏・秋の結果を導いた。西村監督は「生徒たちは、毎日、うまくなっていく。成長したいという生徒の気持ちを、指導者が妨げてはいけない」と、選手たちをサポートしている。テーマは「今日もうまくなろう」。選手たちは、毎日の練習で一つずつ成果を積み上げている。

■粘り強さをインストールして夏へ  

今年のチームは、まだ結果が出ていない。3年生が9人と少ないため2年生の力を借りての戦い。攻守の要・杉本を中心に、2年生エース佐藤佑樹、2年生の4番・新井田一路(内野手)らがチームの幹となっている。昨秋は都大会1回戦で世田谷学園との激闘の末に9対10で惜敗。今春は1回戦で日大一に4対5で競り負けた。秋、春ともに私学実力校と接戦を演じながらも1点差で涙をのんだ。チームは粘り強さをインストールして夏へ向かう。柳澤俊之介主将(3年=内野手)は「技術、体力に加えて精神面の強さを身につけて夏へ向かっていく。西東京大会では接戦を勝ち切るチームになっていきたい。チームメイト、指導者、保護者への感謝をグラウンドで表現したい」と、夏を待つ。3年生の多くは、2021年夏の進撃をスタンドで見守った。この夏は、自分たちがジャイアントキリングを起こす番だ。

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