【清水西 野球部】 「常笑」 #清水西

応援される野球部へ、笑顔でチャレンジ
限られた環境でも強くなるチーム

 昨春に古谷誠浩監督が就任した清水西は、「常笑」をスローガンに野球に向き合う。野球を真剣に楽しむ選手たちは、「集大成の夏」に笑顔で校歌を歌うために努力を続けていく。(取材・栗山司)

■新監督が就任し、新たな一歩を踏み出す  

強風が吹き荒れるグラウンド。砂埃が巻き上がり、練習が何度もストップする。そんな厳しい条件の中でも清水西ナインは笑顔を忘れない。チームのスローガンは「常笑」。「どんなに苦しくても常に笑顔でいよう」という思いが込められている。  昨年春から同校を率いるのが古谷誠浩監督。大学卒業後、裾野と富士宮東の監督を務めた。その後、県教育委員会に3年間勤務し、昨春グラウンドに戻ってきた。  

環境面は決して恵まれているとはいえない。日々の練習で使えるのは、ほぼ内野のスペースのみ。外野方向に思い切り打つことも、シートノックで外野の守備練習をすることもできない。しかも、学校の完全下校が午後7時半と定められているため、平日は約2時間の練習となる。練習試合はすべて他校に赴くという。

■コミュニケーションを大切に  

限られた場所、時間を有効に使っていく。キャッチボール、ノック、バックネット方向へのバッティング練習を20分刻みでテキパキとこなしていく。主将の前田旭陽(3年=外野手)は「グラウンドが小さく、限られた練習しかできませんが、僕たちは笑顔を忘れることなく、その中で試合を意識した緊張感を作っています」と話す。  古谷監督就任後、練習中は選手だけでコミュニケーションをとることを大切にしている。「3年間、現場から離れ、外から野球を見て指導のスタイルが変わった」と古谷監督。「選手たちが自分たちで考えることでより力を発揮できるし、将来にも生きてくると感じた」と語る。  

就任して1年。少しずつ指揮官の意図が選手に伝わり、取材日も事あるごとに前田を中心にマウンド付近に全員が集まり、注意点や改善点を話合う姿があった。

■今春は名門相手に善戦  

前チームからのレギュラーが7人残った昨秋。中部地区1回戦で静岡大成に敗れた(2対7)。大会後は新型コロナウイルスの影響で活動の制限があったものの、投手陣の強化に加え、攻撃は低い打球を打つことを徹底。その効果で投打が噛み合った10月は多くの練習試合で勝利した。  ただ、秋のシーズン後、古谷監督が全試合の成績を集計したところ、守備のミスが多いことが浮き彫りになった。「1試合3つくらいエラーがある。これを何とかしたいと思った」。    冬から春にかけてはトレーニングと平行して守備練習を増やし、春の大会に臨んだ。  迎えた初戦。春夏通算15度甲子園出場の名門・静岡商に対し、善戦を見せた。エースの大場脩(3年)が粘りの投球を展開。1対5で敗れたものの、課題の守備で崩れることはなかった。打線も相手のエースから何度もチャンスを作った。  集大成の夏へ。前田主将は「できる限り、勝ち進みたいです」と意気込む。最高の笑顔で校歌を歌うために、今日もひたむきに白球を追う。

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