栃木工・日向野久男監督 / 監督コメント

栃木工・日向野久男監督

夏大会は中止になったが、我々には高校野球の誇りがある。選手たちの努力は、未来への糧になるはずだ。

2020年7月号掲載

 

台風氾濫からコロナ禍へ

-2019年秋の台風の状況は?
 「(2019年)10月12日に台風によって大雨が降って、学校横の永野川の堤防が決壊しました。浸水というよりも氾濫という状況でした」

-グラウンドの様子を見に来たのは?
 「翌日13日に学校へ来て、グラウンドの状況を確認しました。すでに水は引いていたのですが、最大で2メートルの高さまで水が来ていました。グラウンドは、ヒザくらいまで水が溜まっていて、大量の泥や瓦礫が流れ込んでいました。唖然としてしまいました」

-グラウンドはどのように復旧したのでしょうか?
 「保護者の協力で、重機を入れてもらい、泥を端に寄せていきました。グラウンド一面の泥なので大変な作業でした。今年1月に新しい土を入れて、選手たちでならしていきました。内野はなんとか整備できたのですが、外野は泥を排除しただけで手つかずの状態になっています」

-選手には何を伝えたのでしょうか?
 「『保護者やOBの支援によってグラウンドが復旧できたことを忘れてはいけない』と伝えました。野球ができることが当たり前ではありません。周囲の協力によって野球ができることのありがたさをみんなで確認しました」

-復旧直後にコロナ禍となってしまいました。
 「グラウンドが使えるようになった直後にコロナ禍となりました。3月1日から学校が休校になり、栃木県は春休みの練習許可が出ていましたが、練習はほとんどできていません。4月8日の始業式後に再び休校になり、部活動も休止となりました。3年生にとっては、一生に一度の最後の夏なので、なんとかしてあげたいという気持ちでした」

-休校中の指導状況は?
 「春の休校中は1週間に一度、メールなどで連絡をしていました。そのときは夏大会があると信じていたので、午前中に勉強、午後は筋トレやスイングなど自主トレーニングの指示を出していました。夏大会を想定して準備をしていました」

-夏大会中止決定後(5月20日)、選手たちに伝えたことは?
 「5月21日に3年生を集めてミーティングをしました。私自身も初めてのことなので何を話すか迷いました。選手たちの気持ちを理解した上で『代替大会の可能性があるので、あきらめずに、やるべきことをやっていこう』と伝えました」

-夏の代替大会へ臨む選手たちへ。
 「指導者としては、選手たちに背番号のあるユニフォームで試合をさせてあげたいという思いです。我々には、野球をやっている誇りがあります。栃木工野球部の誇りを忘れずに、代替大会へ挑みたいと思います」

【監督プロフィール】
1961年生まれ。

栃木工-JR東日本。

栃木工出身のOB監督。

1990年に栃工監督へ就任、2003年まで務め2004~2006年は足利工。

2007年に栃工監督に復帰。

人間力を重視した指導で、元巨人・寺内崇幸(現栃木ゴールデンブレーブス監督)らを育てた。

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